英大手紙ガーディアン、NHK「人種格差」動画を報道 どこを問題と指摘した?

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   イギリスの大手紙「ガーディアン」は、NHKがツイッター上で公開した「白人と黒人の格差」の解説動画が非難を受けたことについて、2020年6月9日に電子版で報じた。

   動画の内容を「侮辱的で無神経」と批判したジョセフ・M・ヤング駐日米国臨時代理大使のツイートなどを取り上げるとともに、かつて日本国内で議論になったプロテニスプレーヤー・大坂なおみ選手に対する差別的表現についても触れている。

  • 英大手紙がNHKの「人種格差」動画の問題点を指摘(画像はガーディアン電子版より)
    英大手紙がNHKの「人種格差」動画の問題点を指摘(画像はガーディアン電子版より)
  • 英大手紙がNHKの「人種格差」動画の問題点を指摘(画像はガーディアン電子版より)

「ナンセンスで誤った情報を与えないで」

   記事は「Japan's public broadcaster condemned over 'offensive' BLM anime」(日本の公共放送局が、『侮辱的』なBLMアニメについて非難を受けた)という見出しで、NHK総合の「これでわかった!世界のいま」番組ツイッターアカウントが掲載した「白人と黒人の格差」のアニメーション動画について伝えている。

   記事を書いたJustin McCurry記者は、動画はアメリカの白人と黒人の貧富の差が新型コロナウイルスの影響で悪化したことに対し、筋肉質の黒人男性が怒っている様子を描いたものだと解説。その一方で、

「子供たちに世界の出来事を説明することを目的とする番組のために作成された動画は、ジョージ・フロイドについて言及していません」

   と、白人警官に首を押さえつけられ、抗議活動が拡大する要因にもなったジョージ・フロイドさんの死について説明がないことを指摘している。

   そして、この動画が「アフリカ系アメリカ人のステレオタイプを永続させる」ものだとして、SNSユーザーから非難の声が集まったことを伝えた。実際の抗議活動には黒人以外の人種も参加している一方で、動画には黒人しか描かれていない点を指摘する声も取り上げている。

   また、ヤング臨時代理大使が9日に投稿した「アニメは侮辱的で無神経です」というツイートや、日本に拠点を置くアフリカ系アメリカ人の作家、ベイ・マクニールさんが8日に番組アカウントへ寄せた「米国の本当の問題を理解していないなら、質問するか、予習してください。私たち(アフリカ系人種)をこのようにピエロにしながら、視聴者にナンセンスで誤った情報を与えないでください!」という投稿も紹介している。

   NHKは「配慮が欠けた」として9日昼に動画の掲載を取りやめている。

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