球界OB「頭一つ抜けている」 外国人枠「5」で有利になるのはDeNA?セの戦力分析

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   プロ野球が2020年6月19日に公式戦開幕を迎える。

   新型コロナウイルスの影響で3カ月ほど開幕が延びた関係で特別ルールの導入が検討されている。外国人枠に関しても特例が検討されており、これまでの4人から5人(ベンチ入りは4人まで)に拡大する案が出ている。外国人枠拡大が適用された場合、どの球団が有利となるのか。セ・リーグの外国人枠争いの現状をみてみる。

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投打ともに有力選手を抱えるDeNA

   セ・リーグ6球団で最も外国人選手が充実しているといわれているのがDeNAだ。野手では新戦力タイラー・オースティン外野手(28)がオープン戦から絶好調で、打率.343、4本塁打をマーク。すでに日本球界で実績を残しているホセ・ロペス内野手(36)、ネフタリ・ソト内野手(31)に加えてオースティンがラインナップに名を連ねれば、対戦チームにとって大きな脅威となるだろう。

   DeNAの投手陣では、新戦力のマイケル・ピープルズ投手(28)、スペンサー・パットン投手(32)、エドウィン・エスコバー投手(28)が支配下にいる。ピープルズの実力に関しては未知数だが、パットン、エスコバーは中継ぎとして欠かせない存在だ。DeNAとしては、野手3人とパットン、エスコバーを常時、起用したいところで、特別ルールで枠が拡大されれば、外国人の「主力」5人がシーズンを通して出場する機会を得る。

   公式戦開幕まで2週間を切り、し烈な外国人枠争いが展開されるのが阪神だ。野手で1軍当確とされるのがジャスティン・ボーア内野手(32)とジェフリー・マルテ内野手(28)。投手陣はジョン・エドワーズ投手(32)、ロベルト・スアレス投手(29)が枠に入ると見られ、枠が拡大されればジェリー・サンズ外野手(32)が濃厚となる。この5人で回していきながらオネルキ・ガルシア投手(30)、ジョー・ガンケル投手(28)を組み込んでいくとみられる。

「阪神も枠が拡大することでチーム力はアップ」

   リーグ連覇を狙う巨人は、守護神ルビー・デラロサ投手(31)、新加入のエンジェル・サンチェス投手(30)、ヘラルド・パーラ外野手(33)がほぼ当確で、左肘の違和感で出遅れていたC.C.メルセデス投手(26)が先発ローテーション候補に挙がる。中継ぎで期待されるチアゴ・ビエイラ投手(27)は制球難を克服できず、支配下を勝ち取ったイスラエル・モタ外野手(24)は現時点で1軍復帰の道のりは厳しいそうだ。

   昨シーズン、Aクラス入りを果たした巨人、DeNA、阪神の外国人戦力について、セ・リーグの在京球団OBは次のように分析する。

「投打のバランスからみてもDeNAが頭一つ抜けている。仮に5人の枠が使えれば、野手3人に加え、パットンとエスコバーを効率よく起用できるので大きなアドバンテージになるでしょう。阪神も枠が拡大することでチーム力はアップすると思います。外国人選手起用の幅が広がり、いい方向に動くでしょう。巨人は今のところ外国人選手の調子の明暗がくっきり分かれているので、枠が5つになってもそれほど影響はないと思います」(在京球団OB)

   ペナント奪還を目指す広島は、野手2人が枠に入りそうだ。ホセ・ピレラ外野手(30)に続いてアレハンドロ・メヒア内野手(27)が枠を勝ち取りそうな勢いで、当初の外国人枠構想に変化があるかもしれない。投手陣では、クリス・ジョンソン投手(35)が当確とみられ、テイラー・スコット投手(28)、D・ジョンソン投手(30)、ヘロニモ・フランスア投手(26)が枠争いを展開する。

「広島はバティスタ、ヤクルトはバレンティンの抜けた穴を...」

   Aクラス復帰を狙う中日は、ダヤン・ビシエド内野手(31)は当確だろう。エンニー・ロメロ投手(29)が3月に左肩関節のクリーニング手術を受け、開幕には間に合わないため、残り3枠をライデル・マルティネス投手(23)、ルイス・ゴンサレス投手(28)、ソイロ・アルモンテ外野手(30)、モイセ・シエラ外野手(31)の4選手で争うことになる。昨シーズンの実績からいえば、マルティネスが一歩リードか。

   主砲バレンティン外野手がソフトバンクに移籍したヤクルトは、アルシデス・エスコバー内野手(33)を獲得。守備の要としての期待は大きい。先発ローテーションの一角と見込まれるのが新戦力のガブリエル・イノーア投手(27)とアルバート・スアレス投手(30)。これに昨シーズン65試合に登板し、18ホールド、11セーブを挙げたスコット・マクガフ投手(30)が続く。

「広島はバティスタ、ヤクルトはバレンティンの抜けた穴を外国人野手がどう埋めるか。とくにバレンティンの抜けた穴は大きいでしょう。エスコバーは足が速く肩が強い選手ですが、バレンティンのような一発がある選手ではありません。中日はアルモンテがビシエドに続きますが、守備に課題を残します。守備のミスが減れば大きな戦力になると思いますので、守備力強化が必要となってくるでしょう」(在京球団OB)
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