「外交上のやりとり一つ一つにお答えすることは差し控えますけれど...」
さらに菅長官は、記者から質問があった「(声明への参加の)打診の有無」や「拒否をしたのか」については、
「関係国と緊密に連携して対応しておりますが、関係国との関係もあり、外交上のやりとり一つ一つにお答えすることは差し控えますけれど...」
と述べるにとどめ、
「いずれにしても、繰り返しますが、米国や英国をはじめとする関係国は香港情勢をめぐる我が国の対応を評価している」
と強調した。
菅長官が言及した「憂慮表明」は実際、全人代が採択を行った5月28日の当日に行われている。菅長官は同日の会見で「国際社会や香港市民が強く懸念するなかで(採択が)なされたこと、及びそれに関連する香港情勢を深く憂慮しております」と表明。また、外務省サイトでも同日、「(略)香港の情勢を深く憂慮しています」とする「香港情勢について(外務報道官談話)」を日本語版と英語版で発表していた。
また、米国と英国、オーストラリア、カナダの4か国が「深い懸念」を示した共同声明については、日本経済新聞などが5月29日未明配信の記事で「28日に出した」と報じていた。
先の6月7日の共同記事に対しては、自民党の片山さつき参院議員が7日のツイッター更新で、記事を紹介した上で、
「たった今外務次官と話しましたが、G7で香港問題につき中国大使を呼んで抗議したのは日本だけ!外相も官房長官も明確に発言!その声明には独仏も参加しておらず、突然言われても、というだけの話だそう」
と、記事内容に否定的な見解を示した。同じく自民党参院議員の山田宏氏もツイッターで、
「酷い印象操作記事。当初各国足並みの揃わない時期未定の共同声明ではなく、速やかに明確な形でわが国が独自の声明を出した。(略)」
などと反発を示していた。