「2人生存報道」には「お答え控えたい」
この報道について、前出の参院予算委員会では、国民民主党の森裕子参院議員が
「一人でも二人でも、情報がもたらされたら、交渉し、調査をし、そして一時帰国をしていただく、そういうお考えはないのか」
「これは事実無根、全くの誤報なのか」
などと質したのに対して、茂木敏充外相は
「拉致被害者として認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のため引き続き全力を尽くしていきたい」
「様々な情報、そして様々な報道があるが、その一つ一つについてお答えすることは控えたい。その上で、情報収集等については全力で当たりたい」
などと事実関係の確認を避けた。
日本政府は、ストックホルム合意は引き続き有効だとの立場だ。安倍氏は、この参院予算委で
「北朝鮮に対してストックホルム合意の履行を求めつつ、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべくあらゆる努力を傾注していく考え」
などと答弁。北朝鮮側から「調査結果」を引き出すことが喫緊の課題だと言えそうだ。ただ、北朝鮮側に合意を履行させるためには、北朝鮮側が独自制裁の解除を要求してくるとみられる。さらに、仮に「調査結果」が出たとしても、北朝鮮が初めて拉致を認めた02年の日朝首脳会談のように、拉致被害者に死亡者がいると通告してくる可能性もある。その場合は、その「調査結果」の検証を含めて難しい対応が続くことになる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)