教育とeスポーツが手を取り合う意味
チートの利用や規約を無視した不正行為により、大会が混乱する事態はさほど珍しいことではない。混乱した大会の参加者やギャラリーがeスポーツに参加し続けてくれるのかという点で考えれば、業界としてはかなりのマイナス効果となる。大会運営側も不正行為には厳正に対処していることは多いが、安直な勝利や単なるいたずら目的のための行為を防ぎきる手段は今のところ無いと言えるだろう。
eスポーツの大会には金銭が絡む以上、完全に不正行為を排除することは難しいだろうが、教育によるモラル向上は不正減少に向けて非常に有効な手段であると思われる。
また、礼儀作法を学ぶ機会が無かった若手ゲーマーの中には、関係者一般人問わず様々な形で無礼な振る舞いに及んだためにプロチーム入りの話が反故になるなど、チャンスを失った例も散見される。今後このような事態を防ぐためにも、教育とeスポーツが手を取り合うことには大きな意味があると考えられる。より一層のeスポーツの発展のため、「eスポーツ超学校」が背骨に一本の芯を通すがごとき柱となってくれることが期待される。
(eスポーツライター 早川清一朗)