納豆社社長に聞く
納豆社の宮下裕任社長は6月5日、J-CASTニュースの取材に、生涯無料パス没収の経緯を明かした。まず利用規約は、各支援者の初回利用時に紙を渡して5~10分程度説明したとする。加えて「今後アンケートに回答する義務がある」こと、さらに「無料パス対象メニュー以外も食べてコメントしていただきたい」という旨もこの時点で説明し、「いいですよ」などと返事をもらって同意を得たうえで、無料パスの利用を開始したという。
初回利用時に説明したことは認めているが、なぜCFの募集ページにこれらの条件があることを書かなかったのか。
「生涯のお付き合いなので、直接お会いした時にご説明すべきという考えからです。私たちにとって支援者は『お客様』というより『仲間』に近い認識です。たとえばウェブサイトに長文の利用規約を掲載する方法も考えられます。ただ一般に利用規約というのは、ネットでの手続きだとほとんど読まずに『同意する』にチェックを入れて送信する方が多いです。そうなるとトラブルの元になりかねません」(宮下氏)
アンケートへの回答義務や、無料パス対象メニュー以外の注文義務は「利用規約には書いていません。利用しようと思う方が制限されてしまうからです」と明言。それでもこれらに反したことで没収した例があるのは、「お気持ちや信頼関係を重視しました」という。
「積み重ねです。今回の支援を『無料で定食を食べられる権利』としか思っていないような方がいます。無料対象の食事だけをして、スタッフが話しかけてもコミュニケーションを取っていただけない方がいます。私たちを飲食店スタッフとしか見ていないのでしょうか。ネットで『こんな不味い店に価値はない。返金だ。ダメなら裁判だ』と書いた方、『詐欺やってるんじゃない』とクレームした方もいました。
そのような方々には、CFの募集ページに書いた我々の思い、初回来店時に説明した『末長くお付き合いをしたい』という思いが伝わっておらず、『支援者』ではないだろうと思いました。ただ、もちろんコミュニケーションを取りたくない方もいらっしゃいますので、別のやり方はあったかもしれません。説明不足があれば申し訳ないと思っています」(宮下氏)