規約を説明する前に規約違反とすることは可能?
Cさんは先述のとおり、利用規約の内容を知らず説明も受けていない段階で、「規約違反」として無料パスを没収されたというが、令和納豆のこのような対応は可能なのか。
「令和納豆側が、『パスポートの没収』を、どのような根拠に基づいたどのような措置と位置付けているのか判然としない部分がありますが、利用規約2条によれば『当店が利用登録を相当でないと判断した場合』は利用登録を拒絶できるとあり、利用規約に関する同意がなされる以前であっても、例えば7条の禁止事項に該当するような行動等があった場合には利用登録を拒絶できるものと考えられます。
そして、利用登録がされない場合には無料パスポートの効力も生じないことになるので、パスポートの没収も可能になるかと思います。
ただし、本件においてパスポートの没収をされたという方(編注:Cさん)が語る通り、7月中に届くと記載されていたパスポートが、同月28日になっても届かないことについて『詐欺ではないか』と問い合わせたことを以て、令和納豆に著しい害を与えるものとも、令和納豆を中傷する内容をネット上で記載する蓋然性が高いともいえないと思われます。
したがって、利用規約違反等の事実も認められず、利用登録を拒絶できる理由もないため、令和納豆の対応は違法であり、その方は依然として無料パスポートを利用する権限がありますし、損害賠償等も求めうるとは思います。
ただし、業者がパスポートを没収した際に、CFした1万円について返金しており、それを受け取っている点について、CF契約を合意解除したと評価されうる余地があります」(正木弁護士)