納豆ご飯「生涯無料パス」没収された3人が語る顛末と、運営会社社長の言い分 1万円CFめぐるトラブルを記者が追った

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「無料メニュー以外も食べて」への同意で没収は正当になる?

   納豆社の説明を受けて、J-CASTニュースは弁護士法人 天音総合法律事務所の正木絢生・代表弁護士にもう2点、法的見解を伺った。

   1点目は、無料パス初回利用時の段階で、店舗は支援者に対し、利用規約、アンケート回答義務に加え、「無料メニュー以外も食べてコメントしていただきたい」旨を説明して同意を得ていたことで、無料メニュー以外注文してこなかったことを理由に無料パスを没収することが正当になるかどうか。

「一般論として、利用者から無料対象メニューしか頼まない場合にはパスポートを没収しうることについての『同意』があれば、当該同意に基づいて利用規約の一部として有効となり、当該行為を理由とするパスポートの没収も特に問題はないということになります。

ただし、『無料パス対象メニュー以外も食べていただきたい』旨を伝え、それに対して『いいですよ』ということが、『無料パス対象メニューしか食べない場合にパスポートを没収されうることへの同意』と解することは困難と考えられますし、初回以降も定期的に無料パス対象メニュー以外も食べるように勧めていたとしても、その点に変わりはないと考えられます」(正木弁護士)

   2点目はアンケート、特に「地方創生―」の質問について。納豆社は先述のとおり、FAAVOの募集ページで今回のCFは地方創生の意味合いがあることを示しており、店舗運営に関係が深いことを主張した。この場合、「『地方創生―』等、飲食店の支援とは関連性の薄い一部項目について―」という前回の見解に変わりはあるか。

「基本的に変わりはないと考えられます。プロジェクトオーナー側が地方創生の意味合いも込めてプロジェクトを立ちあげ、プロジェクトの募集ページにもその旨記載していたとしても、それが当然に地方創生等、飲食店のCFと関係性の薄い項目に関する、アンケートへの回答義務を正当化するとは考えづらいためです。

というのも、購入型CFにおけるリターンの提供はオーナー側の義務であり、契約内容の一部を構成するものであるため、その利用開始にあたって少なからぬ負担があるなら、その旨は明確にされている必要があるためです。

そして、無料パスポートという種類のリターンを掲げることが、当然に無条件でその利用を開始できることまでをも含意しているとは解せないため、CFをするに至った理由等についての簡単な(最低文字数もない)アンケート程度であれば、その旨の記載がなくとも利用条件として有効である可能性もありますが、プロジェクトの立ち上げに至った理由としてどういうことを掲げていたとしても、飲食店のCFと関係性の薄い項目について少なからぬ分量のアンケートへの回答義務を、利用開始の条件としてその旨の記載もないのに有効と認めることはできないと考えられます」(正木弁護士)
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