プロ野球のヤクルトは2020年6月5日、新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査を受けた村上宗隆内野手(20)の検査結果が陰性だったと発表した。村上は発熱とのどの痛みを訴え、4日午後に病院を受診。医師から勧められPCR検査を実施した。また、村上と同じくPCR検査を受けたアルバート・スアレス投手(30)の検査結果は6月5日の19時時点で判明していない。
5日の巨人戦は予定通りに開催
日本球界では3月末に阪神の3選手にウイルス感染の陽性反応が確認された。6月3日には、巨人の坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)にウイルスの陽性反応が確認され、同日に東京ドームで予定されていた巨人-西武戦が急きょ中止になった。坂本、大城ともにその後に受けたPCR検査で陰性の判定が確認され、今後は専門家の助言を受けながらチームの合流を目指していく。
坂本と大城のケースは、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査の結果、ウイルスの感染後に回復したことを示す「IgG抗体」が確認され、その後のPCR検査で陽性判定が出た。2選手ともにウイルス感染から回復した後、一定の時間がたっているとみられ、3日と4日に実施したPCR検査では陰性の判定が出ており、6月19日の公式戦開幕も視界にとらえている。
幸いにも村上は陰性判定だったものの、陽性反応が出た場合、チーム内で感染が拡大する恐れがあった。村上は2日と3日に神宮で行われた中日との練習試合に出場しており、少なからずチームメイトと何らかの接触があったとみられる。また、村上、スアレスのPCR検査の判定結果がまだ判明していなかったことから5日午後2時から予定されていた東京ドームでの巨人戦は予定通り行われた。
「NPBは早急に着手してほしい」
現時点で新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施したのは、12球団でソフトバンクと巨人の2球団のみ。広島は今後、独自にPCR検査を実施することを検討していると公表したが、検査の実施には至っていない。抗体検査、PCR検査はあくまでも球団主導によるもので、複数の球界OBから日本野球機構(NPB)主導で検査を実施するべきだと主張する声が上がっている。
在京球団のOBは「検査の実施については様々な意見があると思いますが、実施する球団としない球団が存在するのは疑問です。NPBが主導して検査を実施し12球団の足並みをそろえるべき。いくら厳しく管理しても感染の可能性はあるわけですから、全ての球団で検査することである程度、選手も安心してプレー出来ると思います。開幕まで2週間しかないので、NPBは早急に着手してほしい」と訴えた。