三浦半島で異臭騒ぎ 地震予兆説、タンカー説...推測相次ぐも「原因わからなかった」

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   神奈川県内の三浦半島の東京湾沿岸部で異臭がするとの通報が相次いだ騒ぎについて、ツイッター上などでは様々な原因の推測がされている。

   地震の予兆では、タンカーのガス抜きかも、白潮のプランクトンも考えられる、などだ。原因について、横須賀市消防局などに話を聞いた。

  • 異臭の原因は何だったのか(写真はイメージ)
    異臭の原因は何だったのか(写真はイメージ)
  • 異臭の原因は何だったのか(写真はイメージ)

海面がエメラルドグリーンになる「白潮」からの説も

「ゴムが焼けたような臭いがする」「ガス漏れのよう」「接着剤やシンナー?」「ニンニクみたい」...

   2020年6月4日20時過ぎごろから、消防や警察にこんな119番や110番が殺到し、ツイッター上などでも同様な書き込みが相次いだ。

   横須賀市消防局の指令課にJ-CASTニュースが5日に聞いたところでは、最初は、三浦半島の南端に近い三浦市内の沿岸から通報があり、次第にその場所も北上して横須賀市の北部まで達した。22時近くまでの2時間ほどで、約200件も通報があったそうだ。

   その原因については調査中だとしか報じられなかったため、ツイッターやネット掲示板などでは、様々な推測が書き込まれている。

   「大地震の前兆じゃないよね?」「海底または地中からのガスだとしたら、いやな予感」「海底噴火してんのかな」「ケミカルタンカーが怪しい」「船か飛行機から何か燃料系がもれたとか?」などだ。

   東京・秋葉原で同じ4日、フッ化水素酸が原因とみられる異臭騒ぎがあったため、その関連を疑う向きもあった。このほか、「多分くじらの死骸とかだろうな」といった生物由来を考える意見もあり、5月に相模湾などで海面がエメラルドグリーンになる「白潮」が発生したため、海中のプランクトンから出たガスではとの見方もあった。

同様な「広域異臭」は年に数回、いずれも原因分からず

   異臭の原因について、横須賀市消防局の指令課は、警察や東京ガス、海上保安庁とともに調べたが、「結局分からなかった」と取材に答えた。ガス検知器を持ち込んだが、何も反応せず、臭いの成分は分からなかったという。フッ化水素酸も検出されなかった。

   ただ、初めに通報があったときは、風速3メートルの南風が吹いており、それに乗って臭いが運ばれた可能性はあるとした。船が異臭を出しながら移動したかも海上保安庁が調べたが、分からなかったという。タンカーがガス抜きしたという報告もないとしている。

   天然ガスの噴出なら無臭なので考えにくく、クジラなどの生物は、腐ったような臭いがするので違うのではないかという。

   実は、三浦半島では、5月31日にも異臭騒ぎがあり、三浦市内で「ガス臭い」といった119番通報があった。しかし、消防が駆け付けると、臭いが消えており、原因などは分からなかった。

   東京湾沿岸では、千葉市内などで2019年5月8日夜に「ガス臭い」「ゴムが焼けたような臭いがする」「プラスチックが燃えたよう」といった同様な異臭騒ぎで約120件の119番通報があったことがある。

   当時について、千葉市の環境規制課は、1、2時間と短時間のため臭いを分析できず、結局原因は不明だったと取材に答えた。

「東京湾の海の方から異臭がしており、こうした『広域異臭』は年に何回かはあります。赤潮、青潮といった原因でしたら、磯臭い、生臭いはずですので、違うと思います。過去に原因が分かったケースはないのではないか」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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