東京都で2020年6月2日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は34人だったが、インターネット上ではこれが「49人」とする誤情報が広まった。
「34人の感染者とは別に」...
2日に確認された感染者数について、フジテレビの情報番組「Live News IT!」は、「東京都が発表した34人とは別に厚生労働省は武蔵野中央病院でも新たに15人の感染が確認されたと発表しました」と報道した。この時の「34人の感染者とは別に武蔵野中央病院で新たに15人の感染を確認」とのテロップが表示されている画像がツイッター上などで拡散された。
この情報が拡散したことで、「34+15=49人の新規感染ですね」「49人じゃん」などとツイートする人が続出。2日の20時ごろには「東京49人」というワードが国内のツイッタートレンドで25位に入る事態にもなった。果ては「どうして隠したり嘘をついて国民を惑わすのか」「隠ぺいはダメでしょう」など、政府や都を批判するユーザーもみられた。国民民主党の原口一博衆院議員も、
「それなら新規感染の確認数は、49人になるのでは?実態把握に完全に失敗しているだけでなく判断基準が恣意的に変えられているのではないか?」
などとツイートした(3日午前、「『15人も合わせて34人』との情報もありますが、どう集計をしているのか確認をいたします」と軌道修正している)。
「49人と発表した事実はない」
J-CASTニュースが3日、都の保健局健康安全部感染症対策課に問い合わせたところ、やはり2日に確認された感染者数は34人で、「49人と発表した事実はない」とのことだ。また、武蔵野中央病院で確認されたと報道されている15人のうち、3人は1日発表分に、12人は2日発表分にそれぞれ計上されているという。
誤情報の拡散に、練馬区選出の尾島紘平都議(都民ファーストの会)は2日夜に
「#東京49人 はデマです。『15人』というのは武蔵野中央病院がHPで公表しメディアが報じた数字。本日実際に計上されたのはそのうち12人で、濃厚接触者22人の中に含まれています(10人は家庭内感染など)。残りの3人はすでに計上済み。都は集計方法を変えていませんし、少なく発表することもありません」
「トレンド入りまでしてしまったデマを打ち消すのは大変です。拡散にご協力ください」
と呼びかけている。
東京都は、1日あたりの新規感染者が、直近7日間の平均で「50人」を上回ることを、自粛再要請の目安の一つとしている。