心配の種はエレクトロニクス
新型コロナの影響が続く中で、エンタメでは、作品のリモート制作、ネット上のバーチャルな音楽ライブなどに取り組むといい、ハードで培った技術をソフトに生かす方針だ。
ただ、新型コロナの影響もあって、心配の種はエレクトロニクスだ。「リモート」を切り口にした商品開発に取り組むほか、メディカル事業などの拡大も目指すが、新型コロナによる需要減への対応を迫られるのはもちろん、サプライチェーンの維持・強化にも取り組む必要がある。好調の画像センサーも、新型コロナによる需要の落ち込みのほか、米中の対立激化で例えば中国・華為技術(ファーウェイ)に主力のイメージセンサーを供給できなくなるといった懸念材料もある。
市場の反応は微妙だ。SFHの完全子会社化が伝わった5月19日午後、一時前日比315円(5%)高の7000円を付けるなど急伸し、「フィンテックでのソニーらしさへの期待」(アナリスト)との声も出ているが、その後は6700~7100円台で推移。コロナ問題発覚前の1月14日に好業績期待から8113円と2001年以来18年半ぶりの高値を付けていて、アナリストの間では新経営方針への期待感から、新高値を予想する向きが多いが、当面は新型コロナの影響がどの程度続くかをにらみながらの神経質な展開なりそうだ。