東京都知事選に熊本県の副知事、小野泰輔氏(46)が立候補する意向を表明した。熊本市内のホテルで会見を開き、その模様はYouTubeでも生配信された。
小野氏は、熊本県知事の蒲島郁夫氏が東京大学教授だった時のゼミの教え子で、2012年から副知事に就任している。どんな人物なのか。地元紙報道や、今回の会見動画生配信を告知したツイッターのアカウントを確認した。
東京出身で東大時代は蒲島・現熊本県知事のゼミ生
2020年6月2日昼、東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)をめぐり新たな動きが報じられた。「熊本県の小野泰輔副知事が東京都知事選出馬へ」(テレビ熊本、ウェブ版)などと各メディアが報じた。
ほどなく、プロフィール欄で「小野泰輔(おのたいすけ)。熊本県副知事(平成24<編注:2012>年6月~)」などとあるツイッターアカウント(taisuke.ono<@taisukeono>)が、
「皆様、一部報道でご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、私、小野泰輔は、来る7月5日に行われる東京都知事選挙に出馬することにいたしました。本日16:00の記者会見を、YouTubeにて生中継しますのでご覧ください」(編注:ほどなく会見の15時への繰り上げを報告)
と告知した。動画生中継のリンク先は、熊本県を拠点に動画ライブ配信などを行う事業者のYouTubeページだった。
動画を確認すると、小野氏は会見の中で都知事選への立候補を表明し、「東京と地方の両方の目」を持つ自分が立候補することで、新型コロナウイルス問題を乗り切る対応策などで論戦を深めたいと述べた。小野氏は東京出身。
地元紙、熊本日日新聞の過去記事などによると、東大法学部に進み当時教授だった蒲島氏のゼミ生となった。卒業後、コンサルタント会社勤務や衆院議員秘書を経て2008年に蒲島氏が熊本県知事選に立候補した際に応援のため現地入りし、蒲島氏の当選後は県政策調整参与に就任した。12年に副知事(2人制)に就任した際の会見では、県議会で出た批判を念頭に「『身内の登用』という批判は、その通り。こういった批判をばねに期待値を超える働きをしたい」と述べていた。副知事としての担当分野は健康福祉や商工観光、農林水産。16年に再任した。
アカウントは堀江貴文さんもフォロー
先のツイッターアカウントでは、会見直前の時間帯頃、
「人生で最も緊張したベスト3
第3位 熊本県議会での初答弁
第2位 五木村でのバンジージャンプ
第1位 琉球民謡協会新人賞での独演・独唱
これから行う記者会見はこれらの緊張した場面には入ってきません。が、最も命をかけてやります!!」
とツイートしていた。
2日夕の早い段階でのフォロワー数は「1300弱」だった。一方、300近いアカウントをフォロー中で、目についた著名人アカウントを確認すると、ジャーナリストの櫻井よしこさん、タレントの田村淳さん、デーブ・スペクターさん、フィフィさん、元大阪府知事で弁護士の橋下徹さん、作家の百田尚樹さんらの名前があった。ドナルド・トランプ米大統領もある一方、戦国武将の「石田三成」なりきりアカウントもあった。また、都知事選への立候補も取り沙汰されている実業家の堀江貴文さんもフォローしていた。
知事選をめぐっては、現職の小池百合子知事(67)は正式には態度を表明していないが、「小池東京都知事、再選目指し出馬へ 6月10日も表明」といった報道が出ており、再選立候補は確実視されている。