暴力と破壊行為は「アンティファやその他の極左過激派グループが主導」
こういった状況を受け、トランプ氏は5月31日にフロリダ州で行った講演で、
「暴力と破壊行為は、無実の人々を恐怖に陥れ、雇用を破壊し、事業に損害を与え、建物を焼き払うアンティファやその他の極左過激派グループが主導している」
などと非難。6月1日未明には、州兵がミネアポリスで「良い仕事をした」として、
「特にアンティファ率いる無政府主義者らは、すぐにシャットダウンされた」
とツイートした。その20分後には
「米国はアンティファをテロ組織に指定する」
と続けた。
ただ、アンティファは、具体的な指導者や組織構成が必ずしも明らかではなく、SNSで極左思想の持ち主が緩やかにつながっているに過ぎない、という指摘もある。つまり、現実的に「テロ組織」と指定することが困難だとの見方だ。さらに、大統領に法的権限の問題もある。例えば米国自由人権協会は、トランプ氏のツイートを引用しながら、
「テロリズムは本質的に政治的なレッテルであり、容易に乱用・誤用される。次の事柄は、はっきりさせておこう。国内のグループを(テロ組織に)指定する法的権限はない。こういった指定は、いかなるものであっても、適正手続(デュープロセス)と(表現の自由などを妨げる立法を禁じた)憲法修正第1条をめぐる重大な懸念を引き起こすだろう」
などと非難している。