中国企業傘下となるも、相乗効果は発揮できず
2004年には紳士アパレル大手のダーバンと経営統合したが業績は好転せず、10年からは中国繊維大手の山東如意科技集団有限公司が筆頭株主となり、山東如意グループ傘下で中国における販売展開に浮上を託した。しかし、相乗効果は期待したほど発揮できず、売上高は減少が続き、純損益は2期連続の赤字を計上していた。
20年3月に開かれたレナウンの定時株主総会では、山東如意の動議によって19年5月に就いたばかりの社長と会長の続投が否決される異例の事態も起きた。急遽、取締役上席執行役員が社長に昇格したが、50%超を保有する筆頭株主とのコミュニケーションもできないほど混乱を極めていたと言えよう。
レナウンは5月15日付で東証の整理銘柄に指定され、6月16日に上場廃止となる見込み。5月28日には、300人規模の希望退職者募集も始まった。今後は管財人の下でスポンサーを探し、グループの事業の維持・再生に取り組んでいくという。