米ミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性が警官による暴行で死亡した問題で、抗議デモが激化している。この問題では、トランプ大統領が暴力を賛美する内容を書き込んだとして、ツイートが自動的には表示されない措置をツイッター社が取るなど、異例の対応も波紋を広げている。
そんな中で、歌手のテイラー・スウィフトさん(30)が2020年5月30日未明(日本時間)、トランプ氏に対して、11月の大統領選で「あなたを落選させる」などとツイートし、150万件の「いいね」の大反響を呼んでいる。
ツイッター社は異例の「非表示」対応
テイラーさんはトランプ氏のツイッターアカウントに向けて、以下のようにツイートした。
「大統領任期中に白人至上主義や人種差別主義の炎を煽っておきながら、武力で脅して図々しくも道徳的に優れているふりをするわけ?『略奪が始まれば銃撃が始まる??』11月にあなたを落選させるわ」
「11月に」とは、11月に予定されている大統領選のことを指す。ツイッターのフォロワー数8000万人を超えるテイラーさんの発言の影響力は大きく、30日13時時点で34万回以上リツイート(拡散)され、150万の「いいね」が寄せられる反響を呼んでいる。
テイラーさんのツイートの「略奪が始まれば銃撃が始まる??」という部分は、5月29日のトランプ氏のツイートを念頭に置いているとみられる。そのツイートは、
「先ほど(ミネソタ州の)ティム・ワルツ知事と話し、軍は(知事と)常にともにある、と伝えた。どんな困難でも我々はコントロールするが、略奪が始まれば銃撃が始まる」
という内容。ツイッター社は、この内容が自動的には表示されない措置をとっており、日本語版のツイッターでは、その理由を
「このツイートは、暴力の賛美についてのTwitterルールに違反しています。ただし、Twitterではこのツイートに公共性があると判断したため、引き続き表示できます」
と説明している。
ジャスティン、アリアナもコメント
同事件についてコメントしているのは、テイラーさんだけではない。米歌手のジャスティン・ビーバーさん(26)は5月27日、インスタグラムを更新し、黒人男性が警官に押さえつけられる動画とともに、死亡した男性の名前を挙げながら、以下のようなメッセージを発した。
「ひどく気分が悪い。この男性の死に怒りがこみあげてくる。悲しい。人種差別主義は悪だ。僕たちは声を上げる必要がある。みんな力を貸して。ごめんなさい、ジョージ・フロイド」
また、歌手のアリアナ・グランデさん(26)も30日未明、
「いま、恐ろしく思うこと、危険に感じること、不確かなことがたくさんある。でも、コントロールできることはある。投票する、議員にコンタクトする、調査を行う...。力を取り戻すために今すぐにできるもっとも重要なことは、有権者になり、次の選挙がいつ行われるのかを知ることよ」
とツイートしている。
2年前、テイラーとトランプ氏は...
米国では著名人が政治的発言をすることは珍しくはないが、数年前まで、テイラーさんは政治的主張を公にしない人物だとみられてきた。
それが一転、2018年10月8日に更新したインスタグラムで、中間選挙について発言。共和党の候補者ではなく、民主党の候補者に投票すると明言し、大きな反響を呼んだ。これにはトランプ氏が「テイラーの曲が25%くらい嫌いになった」などと反応したことは、当時各所で報道され話題になった。
After stoking the fires of white supremacy and racism your entire presidency, you have the nerve to feign moral superiority before threatening violence? ‘When the looting starts the shooting starts’??? We will vote you out in November. @realdonaldtrump
— Taylor Swift (@taylorswift13) May 29, 2020