メッシュ素材メーカー「くればぁ」(愛知県豊橋市)の販売する「日の丸マスク」が、SNS上での誹謗中傷により製造休止していたことが分かった。
同商品をめぐっては、政府からの要請で生産しているとの誤情報が拡散し、心無い意見が多数寄せられていた。
「政府批判のネタにちょうどよかったのか...」
くればぁの石橋衣理社長は2020年5月28日、ツイッターで「日の丸マスク 大変人気でしたが議論のネタにされるのは本望ではないので、しばらく製造休止しています。またいつか復活できれば...」と明かした。
日の丸があしらわれた「日の丸マスク」をめぐっては、マスク不足が深刻化しはじめた2月中旬ごろ、
「厚労省がマスク不足に対応し日の丸を冠したマスクを生産」「馬鹿なのかなこの国?日の丸入れる手間省いたらもっと増産できたでしょ」
といった根拠不明の情報がSNSなどで広まり、くればぁが否定する騒動があった。同社によれば、日の丸マスクは2015年から発売していた。15年のフィギュアスケート世界選手権で羽生結弦選手が着用したことでも話題になった。
石橋社長は、作家でタレントの室井佑月氏(50)が誤情報を信じて「これを作るのに、コストどのくらいあがったんだろう。こんなことより、枚数だろうに」などと政府を批判したツイートなどのキャプチャーとともに、
「弊社で作っていた日の丸マスクが政府批判のネタにちょうどよかったのか、ボロクソ言われました。政府と繋がりなんて一切ないのに...社名についても馬鹿にされ、ド阿保とまで言う人も...」
とあらためて憶測を否定。「我々は誠実に物作りしているだけなのに」と嘆息し、製造休止に理解を求めた。
日の丸マスクは5月29日現在、公式通販サイトでは売り切れとなっており、「現在、再販の予定はございません。再販が決まり次第、HPで告知いたします」と案内している。
石橋社長の投稿は数多くリツイートされ、「御社のマスク、愛用してます。誠実な物作りはきっと支持されます」「心無い言葉に負けないでください」と励ましの声が寄せられている。