野党が「不戦敗」になるかが注目されている東京都知事選(2020年6月18日告示、7月5日投開票)をめぐり、立憲民主党の枝野幸男代表は20年5月29日の記者会見で小池都政の評価について「東京都連に聞いてください」と話し、直接のコメントを避けた。
その都連からは「まだ、ご相談は上がってきていない」といい、対応の遅れは明らかだ。さらに不戦敗が現実味を帯びてきた。
福山幹事長は小池都政に否定的評価
福山哲郎幹事長は5月26日の定例会見で、小池氏への評価について
「今のところ、私は候補者は立てるべきであると思っている。単独で、かどうかは別。そういう『立てるべきだと思っている』ということが、私の今の、その(小池都政の評価を問う)質問に対する答えだ」
などとして、否定的な見方を示していた。一方で、枝野氏は
「私はその評価をすることのできる立場の方は東京都民だと思っているので、東京都連に聞いてください」
とのみ答えた。さらに、候補者擁立の考え方については、
「従来から申し上げている考え方で変わりはない。都連から、まだご相談は上がってきていない」 とするにとどめた。枝野氏は5月25日、緊急事態宣言の解除にともなう都知事選への対応について 「都連と相談したい」
と話しており、この4日間で実質的な進展がなかったことを明かしたとも言える。
16年の都知事選では、当時の野党統一候補だった鳥越俊太郎氏(80)に譲る形で元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)が立候補を断念。宇都宮氏は今回も出馬表明しており、「今回はどういう候補が出ても降りない」と明言している。
政権構想を表明も「党内議論を経たものではない」
枝野氏はこの日の会見の冒頭、
「支え合う社会へ ポストコロナ社会と政治のあり方 『命と暮らしを守る』政権構想」
と題した理念を発表。新型コロナウイルスをめぐる問題で「新自由主義的社会の脆弱さ」「『小さすぎる行政』の脆弱さ」が明らかになったとして、「互いに支え合う社会」「未来志向の分散型経済」「信頼できる機能する政府」の実現を訴えた。
「立憲民主党としては党内議論を経たものではない」といい、
「幅広い国民、有権者の皆さんから、多面的なご意見、ご提案をいただき、総選挙の公示までに、政権構想として最終的に取りまとめたい」
としている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)