GDP落ち込みを前に、手当を打つべき
今の段階で、国会の会期末について、東京都知事選が6月18日告示、7月5日投開票なのでその関係で、今国会の延長は難しい。
さらに、景気の落ち込みは既に多くの人が体感しているが、統計数字としては1-3月GDP一次速報が▲3.4%(年率)と5月18日に公表されたばかりで、▲20%(年率)より悪い数字が予想される4-6月期GDP一次速報は、8月17日の予定だ。昨年10-12月期からの累積で▲30~40%程度になろう。
本来であれば、こうした予想はかなりわかっていることなので、今国会でそのための手当を打っておくべきだ。そうした意味で、筆者がかねてより主張していた50兆円以上の規模の基金創設を今国会でやるべきだと思っている。ただし、予備費10兆円は、基金を作るのと同じなので、その点は評価できる。
どの程度、GDPが落ち込むか、それに対してどの程度有効需要を補正予算でつけられるかが、今後の雇用確保において重要だ。1次と2次補正では力不足だ。戦前の大恐慌並みの経済ショックなので、補正予算は3次でも4次も惜しんではいけない。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「韓国、ウソの代償」(扶桑社)、「ファクトに基づき、普遍を見出す 世界の正しい捉え方」(KADOKAWA)など。