米国のネバダ州アスレチック・コミッション(NSAC)が2020年5月27日、ボクシングなどの格闘技イベントの開催を認可した。米スポーツ専門チャンネル「ESPN」が報じた。NSACは6月9日と11日に米ラスベガスMGMグランドで予定されるボクシングの興行を承認。2つの興行は、井上尚弥(27)=大橋=をプロモートするボブ・アラム氏が経営するトップランク社によるもので無観客開催となる。
NSACは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月14日に緊急理事会を開き、3月25日までのボクシングなどの格闘技イベントの中止を決定。米国内では3月25日以降もウイルス感染が収束せず、ネバダ州では格闘技イベントが相次いで延期、中止となった。井上は4月25日(日本時間26日)にラスベガスでWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)と3団体統一戦を予定していたが延期となった。
カシメロはラスベガスで調整続ける
無観客開催ながらもNSACが格闘技イベントの開催を認可したことで、6月以降、ラスベガスでの世界戦開催の期待が高まる。開催が認可された2つの興行がトップランク社による興行であることから、延期となっている井上VSカシメロ戦も、ボブ・アラム氏が開催に向けて急ピッチで動く可能性もある。
カシメロは井上戦に向けて2月に米国入りし、3月に決戦の地ラスベガス入りした。試合が延期になっても母国フィリピンには戻らず、ラスベガスで調整を続けていた。当初、ウイルス感染の先行きが読めず、井上の米国入りが困難なことからトップランク社はカシメロ陣営が望むなら代替試合を用意する準備があるとの意向を示していた。
「ESPN」によると、6月9日はWBO世界フェザー級王者シャクール・スティーブンソン(米国)が、フェリックス・カラバロ(プエルトリコ)とノンタイトル10回戦を行う。また、ボクシングの他にUFCのイベントも認可され、今後の状況次第でボクシングをはじめとする格闘技イベントが認可される見込みだ。