マイク・タイソン「待望論」の裏側 WBC会長、現役ヘビー級王者ら前向きの理由は

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   ボクシングの元世界ヘビー級統一王者マイク・タイソン(53)がリングに復帰する可能性が高まっている。

   チャリティーを目的としたエキシビションマッチでの復帰が濃厚で、かつてのライバル、イベンダー・ホリフィールド(57)との対戦に前向きな姿勢を見せている。その一方で、素手で殴り合うボクシングの新興団体「ベア・ナックル・ファイティング・チャンピオンシップ」(BKFC)からオファーが届くなど、タイソンの動向に世界中の格闘技関係者が注目している。

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「深刻な負傷をしたらどうするんだ。それこそ悲劇だ」

   ヘビー級史上最強ともいわれるボクシング界のレジェンドの周辺が騒がしくなってきた。5月上旬にタイソンが自身のインスタグラムにミット打ちの動画をアップすると、世界中のボクシングファンが反応。現役さながらのド迫力ミット打ちの動画の再生回数は2020年5月27日までに1350万回を突破し、10日後にアップされたミット打ち第2弾も1000万回を超える数字を記録している。

   タイソンが練習風景をなぜSNSにアップしたのか正確なところは不明だが、ボクシング関係者の動きは迅速だった。タイソンのリング復帰の「匂い」を嗅ぎつけた豪州のプロモーターが即座にタイソンの代理人に試合のオファー。これに続いてBKFCが約21億円の巨額オファーでタイソン獲得に乗り出し、同じくリング復帰を決めたホリフィールドがタイソンとの3度目の対戦へ動き出している。

   米スポーツ専門メディアはこぞってタイソンの健在ぶりを報じ、これに気をよくしたのか、タイソンはミット打ち第2弾の動画内で「アイム・バック(俺は戻ってきた)」とリング復帰をほのめかした。ホリフィールドの他に対戦相手として、元オールブラックスのラガーマンであるソニー・ビル・ウィリアムズ(34)、元WBO世界ヘビー級王者シャノン・ブリッグス(48)、総合格闘技「PRIDE」のリングで活躍したヴァンダレイ・シウバ(43)らの名が挙がっている。

   タイソンのリング復帰を巡り、ボクシング界から賛否の声が上がっている。否定的な立場を取るのが、英国の大物プロモーターであるエディー・ハーン氏だ。ハーン氏はタイソンをリングに復帰させるのは「無責任」としている。また、米専門メディア「ボクシングシーン」によると、元世界2階級王者リッキー・ハットン氏(41)は「困難な時期を乗り越えたのに、深刻な負傷をしたらどうするんだ。それこそ悲劇だ」と警鐘を鳴らしている。

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