テラハ誹謗中傷は「対岸の火事」なのか 恋愛リアリティー番組「危険な演出」に識者警鐘

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出演者の忖度で「どんどんエスカレート」

   恋愛リアリティー番組はヒットの裏で、出演者の言動をめぐって「炎上」がたびたび起きている。

   ある恋愛リアリティー番組の出演者は20年5月、番組で誕生したカップルが別れた原因は自分のせいだとの憶測がネットで広まり、誹謗中傷を受けているとして、「事実無根」と否定する騒動があった。

   前述の鎮目氏は、出演者が誹謗中傷を受けやすい背景の一つに、制作側の過剰な演出があるとみる。

「恋愛リアリティー番組がどんどん増えてきていて、どうやって面白く見せていくかという時に、出演する人物のキャラクター頼りになってきている。つまり、できるだけ意外なキャラクター、インパクトのあるキャラクターの子が出ているほうが視聴者は驚いてくれる。恋愛自体を見せるというより、変わった子を求めている感じなってきている。もちろん、台本を作っているわけではないので撮影を続けていくうちに『この子はこういう感じ』というのがわかってきて、その子のキャラを制作側で決めていくところがある。この子はわがままキャラ、すぐ泣いてしまうという風に。当てはめていったキャラを増幅させるように撮影や編集がされていると思う」
「ドラマだったらこの人は良い人、悪い人と台本に書かれている。その代わり、演じているだけだから視聴者は本当だとは思わない。恋愛リアリティー番組は撮影していく中で、ある意味リアルだけど大げさになって嘘が混じり、現実と虚構の微妙な線をいっている。それは見ている側が勝手に勘違いするというより、見ている人に『なにこの子』と思わせたいからやっていて、危険な演出といえる」

   作り手の思惑や期待は、出演者にも伝わるという。

「ディレクターも『こういう画が欲しい』とにおわせ、出演する子たちも素人ではないので『私はこういうのが求められている』と察する部分がある。『私は嫌な子を求められているので嫌な感じにしないといけないんだ』というのを忖度していくのではないか。それは『番組の中で目立ちたい』というのが出演者の心理として働く。そうしないと埋もれてしまったり、途中で切られてしまったりするので。制作側が求める役割をできるだけ演じていこう、とキャラクターがどんどんエスカレートしていくところがある」
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