木村花さん「誹謗中傷」、なぜ芸能人が声を上げた? 背景を弁護士に聞く

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「ワイドショーや新型コロナの影響で、芸能人への攻撃増えた」

   ネット上での誹謗中傷について、佐藤大和弁護士は、J-CASTニュースの取材にこう話した。

「コアのファンやアンチから少人数で攻撃を受ける個別のケースもありますが、不特定多数からコメントが押し寄せてくる集団による誹謗中傷が多くなっています。目の前に人がおらず、SNSというツールを挟んでいますので、心理的なハードルが下がっているように思います。批判と誹謗中傷の区別がつかず、イコールだと考えている人も多くいます。自分たちが正義だと思い込み、その人に落ち度があるとして攻撃したり、中には炎上を楽しむ人もいたりしますね」

   さらに、佐藤弁護士は、メディアからの影響も指摘する。

「ワイドショーなどで誰かを一方的に叩くのを見て、自分もやっていいと思ってしまう方も多くいます。両論併記ではなく、対立当事者を作り一方に対して、厳しく言い、視聴者や読者を煽るテレビや週刊誌の責任も大きいと考えます」

   ここ1か月で著名人から炎上などの相談が増えており、5月に入ってからは5件ぐらいもあったそうだ。

「背景には、新型コロナウイルスによる外出自粛の影響もあると思います。SNSの炎上が娯楽のように扱われ、ネット上の攻撃がストレス発散になっています。また、タレントもコロナの影響で仕事が少なくなり、SNSを見る時間も増えてしまい、精神的な疲労がたまっているのだと思います」

   ネット上の誹謗中傷に対し、佐藤弁護士は、芸能人らの権利を守る制度の充実が不可欠だと説く。

「多数の発信者に対する迅速な情報開示や一度に大人数への損害賠償請求を可能にする法的な制度を作るべきです。名誉毀損への賠償額も上げる必要があります。SNS各社は、迅速に書き込み削除を行い、中学・高校などでは、SNS教育もするべきだと思います。プロバイダ責任制限法の改正も求められますが、大人数の集団による誹謗中傷対策を示すことも重要だと考えています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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