北九州・久留米から引っ越す動きも
つまり、福岡市からはある程度の人口が首都圏に流出する一方で、その3倍以上の数が九州・沖縄各地から、とりわけ福岡市以外の福岡県内から流入していることになる。なお、福岡県内を見ると、福岡市のベッドダウンにあたる「福岡都市圏」(筑紫地域、糟屋地域、宗像地域、糸島市)は882人の「転出超過」。福岡市から郊外のベッドタウンに引っ越す人がいる一方で、北九州市や久留米市から引っ越してくる人が多いとみられる。
天神のランドマーク的存在だった福岡ビル(福ビル)は19年3月に閉館。20年春にはファッションビルの天神ビブレ、隣接する天神コアも閉館した。福岡市が24年末まで10年間かけて進める「天神ビッグバン」計画では、天神地区のビル30棟の建て替えを誘導し、延べ床面積を1.7倍、雇用者数を2.4倍に増やしたい考えで、当分は人口増加が続きそうだ。
福岡市が12年に10年ぶりにまとめた推計では、人口は今後約20年にわたって増え続け、28年に160万人を突破。35年の160万6000人をピークにゆるやかに減少し、40年には160万1000人になると予測している。実際は、この予測よりもハイペースで人口が増え、8年早く160万人に達した。
一方、国立社会保障・人口問題研究所の18年の推計では、20年の人口を160万759人と予測。35年の167万7404人をピークに、40年に167万1888人、45年に165万4572人と、ゆるやかに減少するとみている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)