香川県の私鉄・高松琴平電気鉄道(ことでん)の公式キャラクター「ことちゃん」が、2020年5月19日、鉄道と新型コロナウイルスをめぐる報道に関するツイートを連続投稿した。
電車の車内でも感染するのではないか、という不安がコロナ禍の中で世間にはあるが、鉄道事業者として感染リスクは低いことを説明した形だ。
普段は脱力的なツイートが多いが...
「ことちゃん」はイルカをモチーフにしたことでんの公式キャラクター。普段は脱力的なツイートが多いが、5月19日には
「厚労省は、(1)換気の悪い密閉空間、(2)多人数の密集場所、(3)間近で会話・発声する密接場面を3密と呼んでいます。『公共交通は3密だ』というご意見がありますが(今朝の新聞にも)、各社が換気・消毒を徹底していますし、お客様には会話を控えて頂ければ3密ではありません。ぜひご協力ください」
「『3密』という言葉が、報道機関含めて安易に公共交通に対して使用されているのが気になり、コメントしました。もちろん各社(当社ももちろん)換気、消毒、職員のマスクや手洗い、体温管理等の衛生管理は引き続き徹底してまいります。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします」
「3つの密が重なるとクラスター発生がリスクが高いとされています。もちろん3つの密が重ならなければ一つずつの『密』にリスクがないとは言っていません。重なり方によってリスクが高まるということです。リスクをできるだけ正確に知り、リスクを減らす行動をしていきましょう」
と連続でツイートした。5月19日朝刊の四国新聞では、香川県の緊急事態宣言が解除されて初の月曜日となった18日朝のJR高松駅とことでんの高松築港駅・瓦町駅を定点観測した様子を報じ、「朝の時間帯は席がほぼ埋まってきた。3密になる場面もあり怖い」ということでんの乗客のコメントを載せていた。
鉄道での新型コロナ感染リスクについては、前出のように混雑などで3密が適合するのではないかという不安の声もある。反対に、車内は換気が行われ、停車の度に扉が開き乗客が会話する機会は少ない。ラッシュ時でも混雑率は減少しているのでリスクは低いという意見もあり、錯綜している状況だ。
「リスクについて正確に理解をして頂きたい」
ことでんなど全国の鉄道事業者はすでに、窓開けや入庫時の消毒を積極的に行い、乗客には咳エチケットの実行を呼び掛けている。当該のツイートの意図を、あらためてことでんにメールを通じて取材した。ことでんの担当者は乗客らの不安に対し、
「電車、バスなどの公共交通は3密という言い方が安易に使われていますし、当社へも『ことでんが、3密だ』というご意見をよくいただきます。『3密』は文字通り『3つの密』(密閉、密集、密接)のことを示していて、その3つが重なった場合に、クラスター発生のリスクが高いとされています。
ことでんについては、窓を開けるなど換気を徹底しており、乗客のみなさんが会話を控えて頂ければ、3つの密が重なった状態ではありません。リスクについて正確に理解をして頂きたいという意図で、あらためて3つの密についてことちゃんが説明をしました」
という意図を説明する。新型コロナ対策として、「当社については、引き続き換気、消毒、職員の衛生管理や、お客様へのマナーの呼びかけ等、引き続きリスク管理を徹底して参ります」とも答えた。