種苗法改正「見送り」への賛否 農水相は「今の法制度では、海外流出は止められない」

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「冬場に苗の取り引きが始まり、海外への持ち出しを懸念」

   ツイッター上などでも、「政府は農『家』をつぶして大規模な農『業』への転換を図りたいだけ」「日本は伝統的に自家採種を行う農家が多く小規模農家にも影響が出る」「発言すれば、政治は変わるんだよ。行動すれば、政治は動く」といった声も出ている。

   ネット上では、法案への賛否が割れているが、農水省では、あくまでも成立を目指すようだ。

   江藤拓農水相は、5月19日の会見で、農家の自家増殖ができなくなったり、外資による寡占化が進んだりする懸念があると記者に聞かれ、こう説明した。

「市場に流通している品種の大半を占めるのは一般品種で、何の制限もない。米は84%、みかんは98%、りんごも96%で、登録品種は多くはない。登録品種も、30年を過ぎれば、一般品種になります」
「今の法制度では、海外流出は止められず、大きな問題です。守られて農産物を輸出するなら、農家には、もっと大きなメリット、利益が還元されていたはずです。自家増殖で海外に持ち出されてしまった、こうしたことはあってはならないと思います」

   無制限に自家増殖を許せば、新しい品種を作る5年、10年の努力が担保されないとして、「不要不急の法律というが、権利を守ることについては、一刻の猶予もならない」と訴えた。

   この会見の動画は、農水省サイトにも掲載され、ツイッター上などで拡散して、反響を集めている。

   農水省の知的財産課は5月21日、J-CASTニュースの取材に対し、こう話した。

「法案が今国会で成立すれば、今年の12月から海外への持ち出しを制限できます。秋に収穫が終わると、ブドウやりんごといった果樹などの苗の取り引き期間が始まり、苗を持ち出そうとする動きが懸念されます。補正予算の審議と一緒に法案が通る望みは、まだ捨てていません」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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