ブランド農産品の海外流出阻止が目的という種苗法改正案について、今国会での成立を与党が断念する方針だと一部で報じられ、ネット上で波紋が広がっている。
女優の柴咲コウさん(38)が警鐘を鳴らしたことがきっかけとも報じられ、法改正を望む農家らから嘆く声も次々に投稿されている。今後は、どうなるのだろうか。
「陳情を繰り返した農協青年部などの努力が報われない」
「韓国にイチゴをパクられたときはみんな怒っていたのに」
「農家の方がずっと切望してたんです。これからも盗まれ続けて良いんですか?」
「日本はいつから現場の声ではなく芸能人の作ったタグで政治が動く国になったのか?」
毎日新聞など一部マスコミが2020年5月20日、与党は種苗法改正案の今国会成立を断念する方針だと報じると、ツイッター上などではこんな不満が相次いだ。陳情を繰り返した農協青年部などの努力が報われないと嘆く元兼業農家だという人物のツイートは、3万件以上もの「いいね」が付いている。
報道によると、一部野党が法案に懸念を示しているため、成立まで時間がかかることが見送りの理由だという。
法案への反対論は、地方などでも根強くあるようだ。
札幌などいくつかの市議会が慎重な審議を求める意見書を出しており、三重県議会も3月19日付で、同様な意見書を可決している。そこでは、農産品の海外流出防止は必要としながらも、法案成立で登録品種を自家増殖することに許諾が必要になると、事務手続きや費用負担の増加などが見込まれ、農業経営などに影響を与えることが懸念されるとした。
また、一部新聞も農家への打撃を指摘しており、東京新聞は5月14日付朝刊で、不要不急の種苗法改正だとする野党議員のネット会見を紹介し、農業経済学者も「多国籍企業が種苗を独占していく手段として悪用される危険がある」とのコメントを寄せた。