2020年5月20日に開かれた衆議院予算委員会では、新型コロナウイルス対策に関して専門家が参考人として召集され、質疑が行われた。
その中で参考人によって提唱された「国内パスポート」という制度がネット上などで話題になっている。
「安全性」の宣言に「一種の『パスポート』っていうものを考えてて」
渡辺周議員(国民民主党)は、インバウンドや消費活動が厳しい状況にあることに触れ、「日本経済と世界経済の回復というのは相当先だろう、と。それまでの間日本の国は、どのような形で内需をけん引していくか」と、慶応義塾大学経済学部の竹森俊平教授に見解を尋ねた。竹森教授は、「インバウンド」の前に「観光っていうのが今ものすごく打撃を受けてますよね」とし、政府が対策としてクーポンの提供などを検討していることについて、
「その前に、今県をまたいで人が動くことは、感染を広げるからって抑えているっていうのを、まずそれを解除すれば、私だって温泉に行きたくてしょうがないわけですから、それは、需要はあると思うんですね」
と、観光といった消費活動に需要自体は存在するが、感染拡大対策として人の移動を抑えていなければならない現状が問題だとした。
「問題はその安全性をどうやって宣言するか。一種の『パスポート』っていうものを考えてて。まずその『国内パスポート』、手形みたいなものをどういう風に作るのかというのが一つ」
と、人が移動する上で、安全性を示す「国内パスポート」を手形のようなものとして提唱し、その後「国際パスポート」について考えるとした。また、物流自体は止まっていないが、「商売が、ショッピングが盛り上がっていないから、そこで止まっている部分が多い」とし、まずは国内でどうしたら県をまたいで人が移動できるか、その安全基準について議論するべきであることを強調した。