「小よく大を制す」という言葉がある。上背がない小兵が大男をほんろうする姿はスポーツの醍醐味でもある。
プロ野球でも恵まれた体格でないにもかかわらず、トップアスリートが集まるプロ野球で活躍する選手たちがいる。彼らの活躍は、野球少年たちの大きな励みになるだろう(身長は公称)。
身長の低さもある意味「武器」に
・石川雅規(ヤクルト) 身長167センチ
※通算成績472試合登板 171勝163敗、防御率3.87
現役最多の171勝左腕。小さい体だが頑丈だ。プロ1年目から5年連続を含む11度のシーズン2ケタ勝利をマーク。大きな故障もなく毎年先発のローテーションで投げ続けている。速球は140キロ前半と決して速くないが、伝家の宝刀シンカーを武器に抜群の制球力と緩急自在の投球で衰えは見えない。通算200勝も十分に狙える。
・甲斐拓也(ソフトバンク) 身長170センチ
※通算成績388試合出場 打率.237、23本塁打、99打点、15盗塁
10年育成ドラフト6位で入団。13年に支配下登録されると、「甲斐キャノン」と呼ばれる強肩と投手陣の信頼厚いリードで正捕手に。18年には日本シリーズで新記録の6連続盗塁阻止と広島の機動力を封じ、育成選手で初の日本シリーズMVPを受賞した。
・美馬学(ロッテ) 身長169センチ
※通算成績185試合登板 51勝60敗5ホールド、防御率3.82
身長が低いがウエイトトレーニングで鍛え上げた下半身で馬力十分。最速153キロの直球で内角を果敢に突く強気の投球で、スライダー、カーブ、フォーク、シュートと変化球の質も高い。楽天で先発として活躍し、昨オフにロッテへFA移籍。
・谷元圭介(中日) 身長167センチ
※通算成績415試合登板 26勝21敗6セーブ121ホールド、防御率3.65
手元で浮き上がるような直球を武器に三振奪取率が高い右腕。下半身主導で身長の低さを生かしているような投げ方は子供たちのお手本になるだろう。日本ハムの救援の屋台骨を支え、17年途中に中日へ移籍。35歳のベテランはまだまだ若手に負けない。