立憲・安住「支離滅裂」vs 国民・玉木「おっしゃるとおり」 世耕「定年延長法案」発言で反応真っ二つ

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   今国会での成立を断念し、継続審議が決まった検察庁法改正案をめぐる自民党の世耕弘成参院幹事長の発言で、野党の反応が割れている。

   法案で問題となったのは、現在は60歳の国家公務員の定年を段階的に65歳にまで引き上げる法案のうち、政府の判断で検察幹部の定年を延長できる特例規定の部分。野党4党(立憲、国民、共産、社民)は特例規定の部分以外の、国家公務員の定年延長自体には賛成するという立場を5月13日に確認している。一方、世耕氏は継続審議が決まった後の記者会見で、定年延長そのものを疑問視。立憲民主党の安住淳国対委員長は世耕氏の発言を「支離滅裂」だと非難する一方で、国民民主党の玉木雄一郎代表は「私は世耕さんがおっしゃったとおりだと思いますよ」。法案全体をいったん取り下げて、提出し直すべきだとの考えを示した。

  • 国家公務員の定年延長で野党の反応が割れている(写真はイメージ)
    国家公務員の定年延長で野党の反応が割れている(写真はイメージ)
  • 国家公務員の定年延長で野党の反応が割れている(写真はイメージ)

公務員だけ「給料も下がらないまま、5年も定年延長されて良いのか」

   法案をめぐっては、5月13日に行われた野党4党の党首らによる会談で、政府が提出している改正案のうち、検察幹部の定年延長に関する規定を切り離しの上審議を行うことを求めていくことで合意。玉木氏も直後に記者会見で、

「我々として、検察官も含めた公務員の退職年齢の引き上げについては、この高齢化時代の中で認めていいと思う。賛成です」

と述べ、立憲・枝野幸男代表は5月18日のツイートで

「定年年齢一律引き上げの準備のため、法案審議を急ぐと与党は言っていました。問題部分を切り離して、一致している部分の審議は進めるべきです」

と主張していた。

   こうした中で波紋を広げたのが、法案の継続審議が決まった翌日の5月19日に開かれた世耕氏の記者会見での発言だ。世耕氏は、継続審議が決まったことについて「十分な理解を得られなかったことは問題」とする一方で、「逆に立ち止まって考え直す良い時間ができた」とも評価。さらに、新型コロナの問題で雇用環境が厳しくなっていることを念頭に、

「国家公務員や地方公務員だけ給料も下がらないまま、5年も定年延長されて良いのか」

と発言。雇用を失った若者や就職氷河期に就職できなかった人を公務員として採用することも検討すべきだとした。

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