中止が検討される今夏の全国高校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)の開催に向けた署名活動が行われていることに対し、元プロ野球・中日ドラゴンズの友永翔太さんは「命あってのスポーツだし高校野球がすべてじゃない」と持論を示した。
友永さんは高校時代、春・夏ともに甲子園出場経験がなく、大学、社会人野球を経てプロ入りしていた。
1万人超える署名集まる
今夏の甲子園は、新型コロナウイルスの感染拡大により中止が検討されていると複数のスポーツ紙が報じている。
報道を受け、大阪市でトレーニングジムなどを運営するアスリートワークスは、日本高等学校野球連盟(高野連)と朝日新聞社に対し、夏の甲子園の開催を求める署名活動を署名サイト「change.org」で2020年5月15日に開始。19日には署名活動を取り上げたスポーツ紙の記事がインターネット上で話題となり、20日正午までに1万5000人を超える署名が集まっている。
しかし、ツイッター上では「署名でどうこうする問題じゃないと思う」「感情論での開催は反対」と署名活動に対する批判的な意見も目立っていた。
「インターハイ出来なくなって我慢してる人達も...」
この署名活動には、元プロ野球選手の友永翔太さんも異を唱えている。友永さんは社会人野球の強豪・日本通運から2014年ドラフト3位で中日ドラゴンズへ入団。ルーキーイヤーから背番号1を背負い活躍が期待されたが、2019年に戦力外通告を受け引退した。引退後は自身のツイッターで「ウーバーイーツ」配達員として働く姿を伝えていた。高校野球の強豪として知られる東海大相模高校(神奈川県)の出身だが、在籍時の甲子園出場経験はない。
友永さんは19日にツイッターで、甲子園開催を求める署名について「気持ちはすごくわかる」とした上で、
「身近で観ていて元気だった人達もなくなっている今、その死を無駄にして安易に開催をしたいって気持ちだけの行動だったら少し違うかな」
とコメント。
また「命あってのスポーツだし高校野球がすべてじゃない」と持論を示すと、「インターハイ出来なくなって我慢してる人達も大勢いる事を忘れちゃいけない」と高校野球に対する「特別扱い」に懐疑的な見方を示した。
夏の甲子園の開催可否について、高野連は20日18時から会見を行うと報じられている。
気持ちはすごく分かりますが
— 友永 翔太 (@1RESUKA62) May 19, 2020
身近で観ていて元気だった人達もなくなっている今、その死を無駄にして
安易に開催をしたいって気持ちだけの行動だったら少し違うかな
命あってのスポーツだし
高校野球がすべてじゃない
インターハイ出来なくなって我慢してる人達も大勢いる事を忘れちゃいけない。 https://t.co/57W86UuNaC