予断を許さない受注獲得
NECが2020年3月期連結決算と同時に発表した21年3月期連結決算の業績予想は、売上高が前期比2.1%減の3兆300億円、営業利益が17.5%増の1500億円、純利益が10.0%減の900億円となっている。売上高は映像ソリューション事業の非連結化とパソコン特需の反動、純利益は20年3月期に税金費用の一時的減少があったことの反動が影響する。赤字の海外事業をリストラすることが営業利益の増加に貢献するようだ。年間配当は10円増の80円を予想した。
これらを株式市場は好感し、5月13日には一時前日終値比6.8%(300円)高の4690円に上昇。14日も続伸し、コロナショックで下げた株価がV字回復したと言える水準に戻った。ただ、NECの法人向けビジネスは当然ながら顧客法人の投資意欲に委ねられる部分が大きい。流通や外食などコロナ禍で厳しい局面にある企業が多いなか、思惑通りに受注を獲得できるかは予断を許さないと言えそうだ。