振り込み作業でも一苦労
郵送とオンラインによる申請を紙媒体に一元化したら、ひたすら住民基本台帳と見比べて精査(全体最適型は短縮可)し、不備がなければシステム上で金融機関に振込を依頼する。紙に記載された口座情報などをシステムに「手入力」していく。
目視での照合作業は非効率的に思えるが、東氏は「マイナポータルのシステムと住民基本台帳システムがすぐには連動できないことに起因しています。なぜなら、マイナポータルは国主導のシステムである一方、住民基本台帳システムは各自治体ごとに異なる事業者に委託して構築されているからです」「加えて、住民基本台帳を扱う基幹系システムは通常の行政情報を扱うネットワークとは切り離されて構築されており、情報を容易に移動させることができません」と事情を明かす。
精査の段階でも、オンライン申請特有の問題が出てくる。
「郵送による申請では、住民基本台帳に記載された情報を申請書に印字している関係上、世帯構成の記載などに間違いが生じることはありません。一方で、マイナンバーカードはあくまで『個人』を対象とした制度であるため、世帯構成に関する情報はカード上に保有されておらず、ご自身で入力いただくことになります。そのため、オンライン申請では、申請情報と住民基本台帳に記載されている情報に齟齬が生じる可能性が出てきます」