中国、ポスト・コロナでマイカー需要拡大か SARS後の「生産倍増」再来の兆し

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米テスラには600億円の融資

   アメリカのテスラは、2019年に上海に工場を作ったばかりだったが、コロナショックの最中である2020年2月10日から早くも生産を回復し、毎週の生産量は1月25日春節の前を上回って、4000台となっているという。生産規模からみると、中国で年間20万台の生産量になる。

   このテスラに対して、中国の銀行は全力で支援している。5月11日のポータルサイトの新浪ニュースによると、

「テスラは中国工商銀行から40億元(約600億円)の融資をうけて、在中国の事業を急いで展開している」

   中国国産の電気自動車(EV)の価格は、ほぼ30万元(約450万円)だが、今回、融資を受けたテスラは上海で年間20万台のEVを作り、その価格は20万元(約300万円)台に引き下げており、価格面で販売量を拡大していくと思われる。

   EVへの助成金は2020年で終了する予定だったが、コロナショックで延長が決まった。5月14日に湖南省長沙経済技術開発区管理委員会の外資導入担当幹部に会い、自動車産業の促進について話を聞いた。

「長沙では広汽三菱など年間100万台の自動車を生産しています。これからEV生産の産業育成政策に力を入れます」

   冒頭に述べたように、過去にも、中国自動車市場はSARSによって大きく変化した。2002年にはわずか324.81万台の販売量だったが、06年に倍増して721.6万台になり、19年に2576.9万台に達した。

   現在、中国では自動車の販売に対して制限政策を取っている。北京などの大都会では購入が、ナンバープレートの取得が抽選でしかもらえないので、その抽選に当たらなければできない。さらにナンバープレートの番号によって週に一日は使用できない。

   しかし、新型コロナによって個人の自家用車へのニーズは高まっており、中国当局がこうした販売制限を緩和すれば、自家用車は爆発的に売れる可能性がある。

   中国では人気のある日系自動車は、EVなどの新製品の導入を含めて、新型コロナウイルス後の販売増加につながる可能性は大きいと思われる。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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