「ご家庭の協力なしで現在の状況を乗り切ることは難しい」
家庭学習の履修への影響についても、10日の通知で触れられている。新型コロナウイルスの拡大に伴う長期の休校に対する「特例的な措置」として、学校が課した家庭学習が一定の要件を満たせば「学校の再開後等に、当該内容を再度学校における対面指導で取り扱わないこととすることができる」と同じ内容をもう一度授業で扱う必要がない旨が示されている。その要件は、家庭学習が指導計画に照らして適切であることや、教師が家庭学習における子どもの学習状況や成果を適切に把握できることなどとなっている。
ただ、GW明けから「時間割」を導入するように、といった内容の通知はない。そもそも通知に法的拘束力はなく、「文科省として一律で具体的に家庭学習のやり方を決めることはできない」と前出の文科省担当者は話す。大綱的な基準としての学習指導要領策定や教科書検定は国が行い、都道府県レベルでは人材育成計画などを立て、それを各学校が教育委員会と連携しつつ具体的に進めていく、といった関係になるという。
また担当者は「GWまでの臨時休業であれば、たとえば学校再開後の授業を1日5限から6~7限に拡大したり、土曜日や夏休みを活用したりすることで、『取り戻し』がしやすかったと思います。しかし休業が5月末まで延長され、学校再開後の授業増加だけでは取り戻しが難しくなってきています。その中で、各学校で家庭学習を工夫していると思います」とし、親の負担緩和についてこう話している。
「学校が責任をもって家庭に随時電話をする、地域の感染状況を見ながら家庭訪問などをして学習状況を確認したり相談を聞いたりする、などのお願いはしています。家庭状況や子どもの発達段階に応じ、学習の進め方を柔軟に変えていただくように、ということもこれまで通知などでお願いしています。それらを踏まえ、具体的な学習に関する対応は各学校が教育委員会と連携しながら進めていくことになります。一方、ご家庭の協力なしで現在の状況を乗り切ることは難しく、ご家庭にご協力をお願いしたいところもあります」(文科省担当者)
(J-CASTニュース編集部 青木正典)