「家庭学習の進め方の参考例として示している」
今回取材した4人の保護者は、子どもの家庭学習の時間割制がGW明けに開始した点や、新学年の学習が時間割に組み込まれたため子どもだけでの学習に限界を感じている点などで共通する。「旗振り役」はいたのだろうか。また、共働き・シングル家庭の親の負担についてどのように考慮されているのか。
東京都教育庁は12日の電話取材に「都内の小学校は区市町村立で、設置しているのは各自治体です。都の『学びの支援サイト』でも学習方法の例として『時間割表』の作成を掲載していますが、具体的に都から小学校に指示できる関係ではありません。家庭学習の進め方は、国の通知などを参考にしながら各自治体、各小学校で決めることになります」と話した。
前出Aさんが住む武蔵野市教育委員会に13日、電話取材すると、担当者は「校長会で、今後の家庭学習の進め方の参考例として、学習計画表(時間割)の活用を示しています」と明かす。
「4月も各小中学校で児童生徒に課題を出してもらっていましたが、生活リズムを維持しながら学習できる子どもばかりではありませんでした。一方で学校側も、4月は教科書が届いたばかりで新学年の学習課題を出すのが難しく、前学年の復習課題が多くなっていました。教員が新しい教科書を読み込んで学習プランを立てる余裕もあまりありませんでした。
また5月のGW中に、学校の休業期間が延長されました。この間の家庭学習の保障を考えるにあたり、ドリルやプリントばかりでは子どもの学習意欲が低下する懸念がありました。
こうした経緯から、子どもたちが生活リズムを整えながら、意欲をもって少しでも新学年の学習を進められるよう、各学校にお願いしています。その中で5月からの対応策として、各学校で家庭学習の計画表をつくってもらっているのが現在です」(市教委担当者)