レジ袋有料化と「プラごみ削減の本丸」 さらなる対策が必要な理由

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企業ごみの問題などを含め、法改正も視野

   自治体ぐるみの、先進的な取り組みもある。富山県は2008年、賛同する県内スーパーなどの業者と協力し、208店でレジ袋の有料化をはじめ、19年までに500店超に増えている。この取り組みのため、県は折りたたむと名刺サイズにあさまるエコバッグを配布し、業者も独自に繰り返し利用できる袋を配布するなど、官民の協力の成果で、有料化した店舗のマイバッグ持参率は95%にも達するという。

   小売店にプラスチック製レジ袋の提供を全面的に禁じる全国初の条例が3月に成立したのが京都府亀山市だ。有料での配布も認めないもので、2021年1月1日施行される。同市は山間の峡谷を流れて嵐山に至る保津川が流れ、その川下りが重要な観光資源だが、近年はプラスチックごみが大雨の後に多数流れ着くなど、観光への影響が無視できなくなっていた。市は19年夏から「富山方式」でスーパーなどの業者と協力してレジ袋の有料化始め、半年でマイバッグ持参率が57%から84%(20年2月)に高まる成果を上げており、この延長上での条例制定だった。

   ただ、国内のレジ袋使用料は推定20万トンで、年間900万トンに達する国内のプラごみの2%余りにすぎず、プラごみ削減の「本丸」は企業が出す産業廃棄物扱いの700万トンだ。容器包装リサイクル法は、自治体に分別回収、製造・販売業者に再商品化などを義務付けているが、家庭から出るごみが対象で、企業のごみは含まれない。

   政府は2019年5月に策定した「プラスチック資源循環戦略」で、2030年までに、使い捨てプラを25%削減▽容器包装の6割を再利用・削減▽バイオプラスチックなどの再生材利用を倍増――などの数値目標を打ち出している。企業ごみの問題などを含め、法改正も視野に、近く有識者による検討会(経済産業省・環境省の共管)を設けて検討を始める。

   レジ袋有料化は、実は、東京五輪・パラリンピックに向け、環境問題に取り組む姿勢を世界にアピールする狙いもあった。それでも重要な1歩には違いないが、本格ごみ的なプラごみ削減には抜本的な総合政策が必要だ。

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