「あつ森」への株式市場の視線も熱い それでも任天堂が「減収減益」見込む理由

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2021年3月期の業績予想に「保守的過ぎる印象」との指摘も出たが...

   しかし、同じ日に公表した2021年3月期の業績予想は売上高が前期比8.3%減の1兆2000億円、営業利益が14.9%減の3000億円、純利益が22.7%減の2000億円と一転して減収減益となると見込んだ。「保守的過ぎる印象」(SMBC日興証券)との見方もあるが、市場予想の平均(営業利益は3677億円)よりも低かったことで翌日の株式市場は売りで反応、株価は一時、前日終値比5.6%(2590円)安の4万3510円まで下げた。

   減収減益を見込む要因としては対ドル、ユーロで円高を織り込んだこともあるが、スイッチとそのソフトの販売が足踏みすると見ていることが大きい。自動車メーカーが年間の販売計画を明らかにするように任天堂は主力ゲーム機などの販売見通しを公表しており、それによると2021年3月期のスイッチの販売台数は前期比9.7%減の1900万台、スイッチ向けソフトは17.0%減の1億4000万本にそれぞれしぼむ。

   任天堂によるとその背景にあるのは供給のボトルネック懸念だ。2020年3月期も各地でスイッチは品薄だったが、その状況は収束しておらず、21年3月期も販売機会を失う心配がある。すでに足元で必要な部品の調達に支障をきたしており、それが深刻化すれば「製品の供給に支障をきたす可能性がある」としている。また、在宅勤務が進むことで他社を含めてゲームソフトの開発スケジュールに影響し、「コンテンツの供給が予定どおり行われない可能性がある」とした。物流が停止した場合の通信販売などへの影響もありえるという。

   とはいえ、供給を上回るような需要があるとしたら贅沢な悩みとも言える。任天堂の決算発表後、野村証券がリポートで「(あつ森は)まず20~30代の過去作ファンが購入、その後新規ユーザーが参入するなど新しい広がりを見せている。(ゲーム機の)商品ライフサイクルの長期化へ向けた起爆剤の一つになり得る」と指摘するなど、株式市場の期待も低くはないと言えそうだ。

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