マイク・タイソン復帰は「やめた方がいい」 専門家がズバリ断言する理由

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   ボクシングの元世界ヘビー級統一王者マイク・タイソン(53)=米国=のリング復帰が現実味を帯びている。

   タイソンは自身のインスタグラムに2回にわたってトレーニングの様子をアップし、53歳とは思えぬスピードとパワーを披露。ボクシング界のレジェンドのリング復帰にファンの期待は高まるばかりだが、実際、タイソンのリング復帰は可能なのか。J-CASTニュース編集部はボクシングの専門家である協栄ジムの金平桂一郎会長(54)に話を聞いた。

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ベアナックル団体からは総額21億円オファー

   タイソンの練習の様子を動画で確認したという金平会長は、「あれほどの選手ですから練習をしていればあれぐらいのミット打ちは出来るでしょう。ただ、あくまでも練習ですので、スパーリングなどで実際に相手がいて、パンチを打ち返してくるとなるとどうでしょうか。30秒、1分、2分とどれだけスタミナが持つか」と疑問を呈した。

   タイソンは2020年5月1日(日本時間5月2日)に自身のインスタグラムにトレーニングの様子をアップ。わずか5秒間の動画だったが、タイソンが得意とするワンツースリーから左ボディー2発のコンビネーションを披露し、最後は右フックで締めるド迫力のミット打ちだった。この動画に世界中の格闘技関係者が早速動き、タイソンの代理人にオファーが舞い込んだ。

   2005年以降、引退状態にあるタイソン。豪州のプロモーターから約1億円でチャリティーマッチのオファーがあり、素手で戦う「ベアナックル・ファイティング・チャンピオンシップ」からは総額21億円のオファーがあったという。また、かつてタイソンと2度拳を交えリング復帰を目論むイベンダー・ホリフィールド(57)=米国=もタイソンとのチャリティーマッチを希望しており、ここにきて「タイソン人気」が急上昇している。

「ベアナックルはもってのほか。ボクシング界への冒涜」

   金平会長はタイソンのリング復帰について「チャリティーなどのエキシビションマッチなら良いと思います」とした上で、公式戦の本格復帰、ベアナックルの参戦に否定的な見解を示した。

「ズバリ言って(本格復帰は)やめた方がいいです。やること自体、ネガティブに考えます。タイソンはボクシング界のレジェンドですから、リングに上がれば当然、質が求められます。現役時代の晩年でさえスピードが落ち、スタミナに不安がありましたので、53歳での本格復帰は現実的ではないでしょう。ファンも悲しい思いをする。ベアナックルはもってのほか。ボクシング界への冒涜です」(金平会長)

   また、英国の大物プロモーターであるフランク・ウォーレン氏も金平会長同様にタイソンの本格復帰に疑問を呈している。

   専門サイト「ボクシングシーン」によると、ウォーレン氏は「53歳のタイソンにエキシビションマッチ以外に誰がライセンスを出すんだ。このロックダウンでイライラしているのは分かるし、私たちにファンタジーな試合を与えようとしているのも分かる。ファイトしたくなる気持ちも分かる。でもまたリングに上がったら恥をかくだけなんだ」と持論を展開している。

   タイソンは5月11日(日本時間12日)に更新した自身のインスタグラムで練習公開し、動画の最後に「アイム・バック(俺は戻ってきた)」と宣言した。

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