新型コロナウイルスの感染が収束せず、プロ野球は公式戦開幕日のメドが経っていない。影響はアマチュア球界にも及んでいる。2020年2月の春の選抜大会は中止になり、8月に開催予定だった「夏の甲子園」も微妙な状況になっている。
沖縄の県予選は6月20日から予定されていため決断に残された時間少ない。全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止が発表され、「同じ部活動で野球部だけ大会を開催するのはおかしい」と教育の現場では声が上がっている。高野連は苦渋の決断を迫られることになりそうだ。
「若い選手は少しのきっかけで急激に伸びることがありますが...」
春に続いて夏の甲子園も中止になれば、最終学年の3年生は特に大きなショックを受けることになる。救済案として秋以降に予選を行い、各都道府県の代表校が春の選抜の出場校と共に甲子園で大会を開催する案も出ているが、その時期に新型コロナウイルスが収束している保証はない。緊急事態宣言に伴う不要不急の外出自粛が呼びかけられているが、一度解除されたら再び感染が広がるリスクがある。無観客試合で開催するとしても、47都道府県から多くの部員が集まれば集団感染の恐れもあるため、国民の理解を得られるか微妙な状況だ。
高校だけではない。大学のリーグ戦、社会人野球の大会は中止が決まり、BCリーグなど独立リーグの公式戦も延期となっている。
ある球団のスカウトは「試合が行われなくなり、選手を見る機会がないためドラフトに向けて資料作りが厳しい状況です。若い選手は少しのきっかけで急激に伸びることがありますが、今年は判断できない。ドラフトは現有戦力と、アマチュアの選手たちの力を天秤にかけて決めます。今年このような状況なので各球団の指名人数は少ないと思います」と渋い表情を浮かべた。