「中国起源説」に怒る国営新華社通信 海外報道へ「リアリティー・チェック」で反論

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国際ファクトチェック団体の綱領では「非党派性と公正性」求めている

   ただ、4つめの「根拠」は、

「ニューヨーク・タイムズ、ABC、BBCやその他の西側主要メディアのすべてが、アジアのコミュニティーとCOVID-19の誤ったつながりを報じ、深刻な外国人恐怖症を煽り、米国のこれらのコミュニティーに対する人種差別や嫌がらせを頻繁に引き起こした」

というもの。中国側が問題視する具体的な記事の内容や、記事内容とアジアコミュニティーへの嫌がらせへの因果関係への言及はない。

   それ以外にも、

「中国はCOVID-19に関する偽情報を拡散している」

という主張には、

「中国はこれまでずっと開かれて透明な情報公開をしてきた。それどころか、中国に敵対する一部の米国の政治家、学者、メディアは中国を中傷し、攻撃し続けている。中国は偽情報の被害者だ」

と反論し、

「中国は台湾のWHO加盟を阻止し、台湾の人々の健康を危険にさらしている」

という議論には、

「台湾は中国の一部であり、WHOに加盟する権利はない。WHO加盟には主権国家であることが必要だ。中国の台湾とWHOの間の技術協力のチャンネルは、妨げられない」

と主張した。

   ファクトチェックには様々な形があるが、最も厳格だと考えられているファクトチェックの定義は、「国際ファクトチェッキングネットワーク(IFCN)」の綱領によるものだ。綱領では、(1)非党派性と公正性(2)情報源の透明性(3)財源・組織の透明性(4)方法論の透明性(5)明確で誠実な訂正、の5つの要件を求めている。新華社の「リアリティー・チェック」は、一部で(2)や(4)を満たそうと試みた形跡はあるものの、依然として5要件からは距離がある。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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