「#検察庁法改正案に抗議します」というワードがツイッターのトレンドに入るなど、国家公務員法等の一部を改正する法律案についてインターネット上でも話題となっている。
検察官の定年延長がフォーカス
国家公務員法等の一部を改正する法律案は、2020年3月13日に国会に提出され、5月8日から衆議院内閣委員会で審議されている。平均寿命の伸長や少子高齢化の進展をうけて、国家公務員の定年を引き上げるというもの。定年の段階的引上げ、役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)の導入、高齢期における多様な職業生活設計の支援などが検討されている。可決された場合、施行日は2022年4月1日。
今回問題となったのはこれに併せて、検察官や防衛省の事務官等についても同様に定年の引上げ等を行う点である。インターネット上では「検察庁法改正案」と呼ばれている。検察官の定年問題に関しては、政府が1月31日、東京高等検察庁の黒川弘務検事長(当時62歳)の定年の延長を閣議決定して以来注目されていた。
こうした中でツイッター上では「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグが作成され、5月10日ごろからトレンドに入った。幅広い業界の著名人らが声を上げている。
いきもの水野「根本のルールを揺るがしかねないアクション」
「いきものがかり」の水野良樹さんは、
「どのような政党を支持するのか、どのような政策に賛同するのかという以前の問題で、根本のルールを揺るがしかねないアクションだと感じています」
とハッシュタグを用いたツイートを行った。同じくミュージシャンからは「AAA」の日高光啓さん、末吉秀太さんも。
俳優の城田優さんは、
「大事なことは、ちゃんと国民に説明してから、順序に則って時間をかけて決めませんか? そんなに急ぐ必要があるんですかね。」
とツイート。
同じく俳優や女優からは、西郷輝彦さん、井浦新さん、浅野忠信さん、秋元才加さんもツイートを行った。
「あたしンち」で知られるけらえいこさんや、江口寿史さん、島崎譲さん、しりあがり寿さん、羽海野チカさん、ゆうきまさみさんら漫画家も声を上げた。声優からは、緒方恵美さんや森久保祥太郎さんが。そのほか、歌人の俵万智さんなど幅広い業界から声が上がった。
きゃりーぱみゅぱみゅは言及ツイートを削除
歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんも10日、ネット上で拡散していた解説イラストを、このタグとともに投稿した。しかしファン同士のコメント欄での激論を見たくなかったとしてツイートを取り消し、翌11日、投稿の経緯を改めて説明するとともに、「今後は発言に責任を持って投稿します」とコメントした。
11日は、「きゃりーぱみゅぱみゅ」や「政治的発言」がツイッター上でトレンド入りした。芸能人の政治的発言を議論するツイートも増加している。著名人らのリプライ欄には、法案内容を読んでいるのかと尋ねるもの、政治発言をすることに失望したというコメントも。反対に「芸能人である前に一個人」、「意見を表明するのはひとりの国民としての自由と権利です」と、意見を表明することに肯定的なツイートもある。
たとえば秋元才加さんには「内容が分かってるのか不安です」というコメントが寄せられたが、秋元さんは
「すみません。 大きなお世話です。 ありがとうございます。」
と引用ツイートで返した。
どのような政党を支持するのか、どのような政策に賛同するのかという以前の問題で、根本のルールを揺るがしかねないアクションだと感じています。#検察庁法改正案に抗議します
— 水野良樹 (@mizunoyoshiki) May 9, 2020
大事なことは、ちゃんと国民に説明してから、順序に則って時間をかけて決めませんか?
— Yu Shirota(城田優)???????????????? (@U_and_YOU) May 10, 2020
そんなに急ぐ必要があるんですかね。
#検察庁法改正案に抗議します
すみません。
— 秋元才加 SAYAKA AKIMOTO (@akimotooo726) May 9, 2020
大きなお世話です。
ありがとうございます。 https://t.co/tAZ3rO3Rh2