食料輸出を制限する国続出 日本への影響の有無は?

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ロシアや東南アジアの対応

   米国も、農業は不法移民が支えているという実態があり、移民規制を進めるトランプ政権も、この部分では一定の配慮をせざるを得ないほどだが、新型コロナの感染拡大が農業の現場にどう影響するかは不透明だ。また、豚肉などを扱う食肉工場で、従業員の新型コロナ感染により操業停止が相次いでいるといった影響はすでに顕在化している。

   こうした中で、食糧生産国の中で輸出を制限する動きが強まっている。世界最大の小麦輸出国であるロシアは4月初め、自国または旧ソ連圏から域外に向けて輸出する小麦、ライ麦、大麦、トウモロコシについて、計700万トンの輸出割り当てを設ける規制を導入し、輸出ペースが速まったために早々に枠に到達し、4月26日、6月末までの穀物の輸出停止を発表した。

   コメ輸出国が多い東南アジアでは、世界3位のコメ輸出国であるベトナムが、国内分の確保のため3月下旬に新たな輸出を一時停止(4月から再開)。カンボジアは4月から輸出規制に乗り出し、ミャンマーも同様に規制に踏み切った。インドに続く世界2位のコメ輸出国であるタイは干ばつで収量減が予想され、輸出量の減少が懸念されるうえ、価格の国際指標にもなるタイ産のコメの値段は年初の1トン当たり400ドルから4月には600ドル近くに急騰しており、輸入国には脅威だ。このほか、ウクライナ、カザフスタン、キルギスなどが小麦を中心に、タイは鶏卵について、それぞれ輸出を規制し、日本の農水省のまとめでは、4月20日時点で輸出を規制する国は13カ国に上る。

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