政府配布が「マスク在庫復活」に影響? 輸入業者は「実感ない」、市場に出回った理由は...

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「『安かろう悪かろう』の商品が大量に入ってきて相場が崩れつつある」

   一般社団法人日本衛生材料工業連合会の統計によると、18年度に日本に流通したマスク約55億枚のうち、国産は約11億枚、輸入は約44億枚だった。

   輸入マスクの約8割は中国産が占めているため、中国での生産や輸出状況が日本の供給に大きく影響する。東京で貿易商社A社に勤め、マスクの中国輸入を手掛ける男性は5月7日、J-CASTニュースの取材に、輸入の現状をこう語る。

「中国側のマスク製造大手企業に関しては中国政府の管轄となっており、未だ輸入は出来ない状況です。変化としては、中小のマスク工場が増産設備を整えたり、今まで他の商品を製造していた工場がマスクの生産に切り替えたりしています。そのような工場で生産されたマスクが日本に入ってきており、供給量は増えたと思います」

   価格が下がってきている背景として、単純な増産だけでなく、「『安かろう悪かろう』の商品が大量に入ってきて相場が崩れつつある、というのが感想です」との見方を示す。原因は大きく2点考えられるという。

「1点目が『原材料の不足』です。見た目で分かる部分では、耳もとのゴム紐。コロナウイルスの流行が始まる前は主に耳が痛くなりにくい平ゴムが使用されておりました。今は手が入らないために丸ゴムが主流となっております。

見た目で分からない部分では、不織布フィルターの目の細かさ。当然、細かい物の方が良いのですが手に入らないために、粗い物が使われています。PFE99%やVFE・BFEといった濾過効率についてパッケージに書かれているものが、コロナウイルス流行前は多く並んでいました。それが今では濾過効率について表記されたマスクはあまり見かけません。表記できない基準のフィルターを使用しているからと考えられます。また、表記があったとしても『偽物』が入っているという話も聞きますのでタチが悪いです。

2点目は、今までマスク輸入を手掛けたことのない業者もマスク輸入を始めたこと。知識不足の業者が中国工場に言われるがままの仕様で発注をし、粗悪品を買っているとも考えられます」

   マスクの卸を要望する国内の小売店は継続して多く、増えているという。ただ、小売店の傾向が変化。当初は「マスクのスペックが多少悪くて仕入原価が高くても、市場に不足しているから消費者のためにマスクを供給しよう」というマインドだったのが、最近では「仕入原価が高い条件での買付けは見送る」というところが増えたように感じられるという。

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