河野防衛相「フェイクニュース」連呼 イージス・アショア配備先は「ゼロベース」、会見でも強調

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   河野太郎防衛相は2020年5月7日、秋田県でのイージス・アショア配備をめぐる報道について、ツイッターで「フェイクニュース」と投稿した。

   ミサイル迎撃システムのイージス・アショアについては、秋田県内の自衛隊施設を候補地として、政府と自治体の間で交渉が進んでいた。

  • 河野太郎防衛相(3月26日参議院外交防衛委員会。「参議院インターネット審議中継」より)
    河野太郎防衛相(3月26日参議院外交防衛委員会。「参議院インターネット審議中継」より)
  • 河野太郎防衛相(3月26日参議院外交防衛委員会。「参議院インターネット審議中継」より)

報道は「政府関係者」がソースだが...

    イージス・アショアをめぐっては、防衛省が候補地として秋田県秋田市の新屋演習場と、山口県萩市と阿武町にまたがるむつみ演習場を19年5月に選定した。しかし地元の反対を受け再調査を実施、東北では新屋演習場を含む20か所を候補地として調査を行っていた。

   この件について5月6日にまず報じたのは、読売新聞とNHKだった。読売新聞オンライン(11時21分配信)は、複数の政府関係者が明らかにしたとして、新屋演習場への配備を断念する方針を固めたと報じた。

   NHK NEWS WEBの報道(11時56分配信)では、取材先は明らかにせず「防衛省が方針を固めた」として、秋田市の新屋演習場への配備を断念したと報じている。7日午後にもNHKは「イージス・アショア配備の事実上断念『連絡ない』秋田県知事」という見出しで、佐竹敬久・秋田県知事と穂積志・秋田市長のコメントを引用した。ニュースの中では、防衛省は新屋演習場への配備を断念し、秋田県内の別の候補地を選ぶと伝えている。

   その他のメディアでは、東京新聞も5月7日に「政府関係者が明らかにした」として、同様のニュースを報じている。

菅官房長官「断念したという事実はありません」

   これらを受けて、河野防衛相は5月7日夜に、6日午前のNHK配信記事を引用リツイートする形で「フェイクニュース。朝からフェイクニュースだと伝えているのに、夜のニュースでも平気で流す。先方にも失礼だ」とツイート、読売新聞による6日午前の報道に対しても「今回のフェイクニュースの先陣を切ったのは読売新聞」とツイートしている。

   7日午後のNHK報道で引用された佐竹知事のコメントは、「防衛省からは何の連絡もない。事務方に問い合わせたところ、決定の事実はないという回答だった。当事者に何も伝えられないというのは、ますます不信感がわく。正式な話を受けてからどういう対応をするかだ」というもので、防衛省が正式決定したものではないとも解釈できる。

   菅義偉官房長官は7日の会見で、イージス・アショアの秋田県内への配備については「再調査を実施しており、ゼロベースで判断する」段階で、現段階では再調査の実施中だと強調、「何らかの方針や検討の方向性を決定したという事実はなく、新屋演習場への配備を断念したという事実はありません」と話している。

   河野防衛相も8日の会見で配備先については「再調査をした上で、ゼロベースで検討するということでございます」と説明し、新屋演習場への配備断念の各社ニュースに関する見解を問われた際も「見解も何も、何もございません」と答えた。

姉妹サイト