蛇の目ミシン工業(東京都八王子市)は2020年5月7日、2020年3月期の連結業績予想で、純利益を従来の2億円から4億5000万円に上方修正した。
新型コロナウイルスに伴う手作りマスクの需要が高まり、家庭用ミシンの売れ行きが好調のためだとする。
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売上高は350億円(前年比8.3%減)と2月7日発表の業績予測から据え置いたものの、営業利益は7億円から11億円(同4.4%減)、純利益は2億円から4億5000万円(同48.9%減)に上方修正した。
主力製品の家庭用ミシンの販売台数は年々落ち込んでいたが、新型コロナウイルスの感染拡大によるマスク不足の影響が追い風に。
同社は発表で、「世界的に外出自粛の動きが出る中、家での過ごし方に注目が集まり、またマスク不足という背景からミシンを使った手作りマスクに関心が寄せられるなど、ミシンが取り上げられる機会が増えております」とコメント。国内外でミシンのネット販売が好調だったという。
実際、同社が4月15日にユーチューブに公開した動画「ミシンで作るプリーツマスク」は、9万7000再生(5月7日現在)を記録している。
蛇の目ミシン工業の公式サイトによれば、同社は1921年に国産初のミシンメーカーとして創業(当時の社名はパイン裁縫機械製作所)。2021年に創業100年を迎える。