実際にはドラマ以上? 浜崎あゆみの「おばあちゃん愛」を検証する

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   歌手の浜崎あゆみさん(41)の自伝的小説を実写化ドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系)の第3回が、2020年5月2日に放送された。

   ドラマでは福岡県から上京してスターを目指すアユ役を歌手の安斉かれんさん(20)、アユを発掘してスターに押し上げるプロデューサー・MAXマサ役を俳優の三浦翔平さん(31)がそれぞれ務める。第3回となる2日の放送では、デビューを控えたアユが当初の予定とは違ってユニットを組まされそうになるなど、ソロデビューに漕ぎ着けるまでの苦難の数々が描かれたが、視聴者の注目を大きく集めたのは、アユのおばあちゃん(市毛良枝さん=69)の死だった。

  • 「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)
    「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)
  • 「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎)

遺体となったおばあちゃんと対面したアユ

   番組中盤、帰宅したアユが目にしたのは、意識を失ってテーブルに突っ伏すおばあちゃんの姿。おばあちゃんは自宅近くの病院に入院するも、知り合いが見舞いに来やすいなどの理由から、地元である福岡の病院に転院した。

   その後、アユはデビュー曲「poker face」の作詞を行うことになるが、その矢先、おばあちゃんが入院先で意識不明となり、アユは一旦は作詞の手を止め、福岡に向かおうとするが、今行うべきはデビュー曲を完成させることと思い直し、作詞を続行。結果、「poker face」の歌詞は完成するが、アユはおばあちゃんの死に目には会えず、その遺体との対面を果たしたのだった。

   ドラマでは第1話からたびたびおばあちゃんとのシーンが流れており、そこでのアユはまさに「おばあちゃん子」。実際、原作小説「M 愛すべき人がいて」でも、「少し小さくなった背中から抱き着いて手を回し、首元に顔を寄せると、おばあちゃんの優しい匂いがして、ほっとして、目を閉じる」との記述があり、浜崎さんにとっておばあちゃんが心の支えとなっていたことがありありと分かる。

   なお、原作小説では、おばあちゃんは「poker face」のレコーディングの直前に亡くなったと記されており、当該箇所についてはドラマ化の際に改変が行われたことになる。

   ちなみに、おばあちゃんの死については、2004年放送のドキュメンタリー番組「スーパーテレビ」(日本テレビ系=放送終了)で、浜崎さんが、「poker face」のレコーディング前日に福岡の病院を浜崎さんが訪問し、すぐに帰京。翌日のレコーディング開始直前に祖母の死を知ったと話すシーンがあり、これらを考えると、同放送と小説版での内容が真実のようだ。

「君」=「おばあちゃん」!?

   最愛のおばあちゃんが亡くなったシーンが描かれた第3回だったが、作中では、死の淵にたたずむおばあちゃんを想いながら「poker face」を作詞しつつも、歌詞の一部にはMAXマサへの思いを偲ばせたとの演出がなされていた。なお、原作小説では同曲については、「私が恋をしているその人に宛てて書くことにした」との記述と共に「poker face」が作詞されたとのがあるため、この点についても、やはり、原作に改変が加えられているようだ。

   この点は、原作小説発売以降、浜崎さんの楽曲の歌詞に多用される「君」という言葉はエイベックスの松浦勝人会長のことだったことが広く知られるようになっており、その事実との衝突を回避するための演出だったと言えるだろう。

   ただ、その一方で、浜崎さんの楽曲については以前から、自身の祖母のことを想いながら書いた、つまり、「君」=「おばあちゃん」なのではないかとファンの間で話題になってきた曲がいくつかあるのも事実。タイトルを挙げていくとまず挙がるのが、浜崎さんの27枚目のシングル「H」に収録されている「HANABI」と、29枚目のシングル「&」に収録されている「HANABI ~episode II~」だ。

唐突に流れた「YOU」の意味は?

   両曲のタイトルには共に「HANABI」という単語が含まれており、浜崎さんが祖母への追悼の思いを「花火」に例えているのではないかとの推測がファンの間で「通説」となっていた時期があったほか、2ndシングルの「YOU」では、祖母の横顔が描かれているという説が飛び出したことも。

   実際、おばあちゃんが亡くなったドラマ第3話の冒頭には、唐突に「YOU」が流れるシーンがあり、そのこともまた、「YOU」=「おばあちゃん」説を想起させるものだったと言えるだろう。浜崎さんの楽曲に多数登場する「君」の全てが松浦会長のことなのか、はたまたそうではないのかは浜崎さん本人のみぞ知るところだろうが、その一方で、浜崎さんが常に「君」という言葉に強い想いを込めているのは確かなことのようだ。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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