ロックバンド「氣志團」のボーカル・綾小路翔さんがMCを務める音楽特番「STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に!~」(フジテレビ系)が2020年5月6日深夜に放送された。
アーティストがそれぞれの家から楽曲を披露するという番組だが、音楽ファンの間では「因縁の関係」として知られるロックバンド「Dragon Ash」のボーカル・Kj(降谷建志)さんとラッパー・Zeebraさんが共に出演したことが話題を呼んだ。
02年の「公開処刑」でKjを痛烈批判
Dragon Ashはヒップホップ、パンク、ラテンミュージックなど様々な音楽を融合させた「ミクスチャーロックバンド」として知られる。Kjさんは99年発売のDragon Ashのシングル曲「Grateful Days」でZeebraさんと共演。CDは90万枚を超えるヒットを記録し、Zeebraさんが曲中で披露した「俺は東京生まれヒップホップ育ち」というフレーズは広く知れ渡った。
しかし、Zeebraさんは02年に所属するヒップホップユニット「キングギドラ」の楽曲「公開処刑」でKjさんについてラップで言及。当時若者から高い人気を得ていたKjさんのラップスタイルが自身のスタイルの模倣だと批判するもので、「おめえのグレートフルデイズも今日まで」とかつてのヒット曲を引き合いに出して「ディス」(貶す)をかました。
この一件以降、KjさんとZeebraさんの音楽的な共演は見られず、音楽ファンの間では2人の関係を「因縁の関係」だとする認識が広まってきた。
Grateful Days披露への期待もあったが
そうした中、20年4月28日に今回の「STAY HOME, STAY STRONG~音楽で日本を元気に!~」の出演者が発表された。そこにKjさんとZeebraさんが共に名を連ねていたことから、ツイッター上の音楽ファンからは、
「とんでもない事件が起きてる...」
「歴史的瞬間になるんじゃないですか!」
など驚きの声が広まった。中には「Grateful Days聴けないかな」とかつてのヒット曲を通じた2人の共演を期待する声も上がっていた。
しかし、6日の放送ではKjさんは松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」を弾き語りでカバー、Zeebraさんは自身のオリジナル楽曲をそれぞれ披露したため、音楽的な意味での「共演」はならなかった。