「コロナ禍」という言葉はどこから来て、なぜここまで広まったのか

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あまり流行らなかった「MERS禍」

   そもそも、「病名+禍」という言葉は、実は昔からある。

   2015年のMERS流行の際には「MERS禍」という言葉が新聞各紙で使われている(たとえば「韓国MERS禍1カ月 WHO「医療文化も一因」」(朝日、6月20日付朝刊)。もっともこちらは、MERSが日本にあまり広まらなかったので、あまり記憶に残らなかったけども――。

   古いところでは1959年の西日本新聞で、「水俣病禍」という見出しが(熊本大学付属図書館のデータベースより)。広辞苑には載っていないが、そのまま「病禍」という言葉も、一応ある。

   というわけで、このあたりでいったんまとめれば、

「病名+禍、という表現は昔からあった。新型コロナウイルスの流行でも、同じように『新型肺炎禍』『新型コロナウイルス禍』が専門紙などを中心に使われ始めた。略した『コロナ禍』も自然発生的に誕生、2月後半からスポーツ紙で採用され、これを一般紙も3月から後追い。広く普及した」

   中国語からの影響も考えたいところだが、直接的な痕跡は見つからない。最初期なら可能性はゼロではないが、上の結論は大きく変わらないと思う。

   では、もう一つの疑問だ。「なぜ」、コロナ禍という言葉を、こんなにメディアは一斉に使うようになったのか。

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