「リング禍」などから連想した?
テレビでの「コロナ禍」は紙メディアより少し遅れておそらく3月後半ごろから(エム・データなど参照)。ネットニュースも、新聞・雑誌系を除けばそう変わらない(僕が編集長のJ-CASTニュースでは、3月30日が最初だった)。
Googleトレンドのデータを見ても、「コロナ 禍」の検索件数は、デイリーが1面見出しを打った2月末から、上昇気流に乗っている。
ネットも含め、広く一般に「コロナ禍」が広がる起爆剤になったのは、やはりスポーツ紙のようだ。
しかし、なんでスポーツ紙が?
スポーツ紙出身の先輩記者に聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「格闘技で、試合中などに起きる事故のことを『リング禍』って言うんです。その世界ではよく使う言葉だから、スポーツ紙の人間なら知ってるはず。それが関係あるのかもしれません」
「リング禍」という言葉に慣れているから、「コロナ禍」も抵抗なく受け入れられた。十分ありそうな話だ。
――が、独自に「発明」したのかというと、そうではない。
まず日経テレコンで見る限り、「コロナ禍」の一番古い用例が、中国の株価情報などを主に扱う「亜州IR中国株ニュース」で、これが2月12日だ。サンスポより4日ほど早い。さらにツイッターなどでは、1月後半ごろから、「コロナ禍」を含むつぶやきがちらほらと。確認できるのは24日のあるユーザーのつぶやきが最古だ。
また、「コロナウイルス禍」や「新型肺炎禍」という形なら、2月前半あたりから専門紙・業界紙を中心に、数は少ないが使われている。毎日新聞では、朝刊1面のコラム「余録」で早くも1日、
「ついに世界保健機関(WHO)から緊急事態宣言が出た新型コロナウイルス禍である」